第8話「春、そして転校生」
見渡せば桜が咲いていた。
入学の季節、
そして…
「転校」の季節。
俺は学年の平均をなんとかキープして2年生になった。
そして、後輩ができた。
俺はもともと部活に入ってなかったから、部活の後輩とかはできなかった。
今日も桜が綺麗だ、
遠いところにいる「彼女」のように。
…さて、
入学式があった次の日、全校朝礼があった。
それが終わって、HRが行われている。
俺は寝不足を回避するため、上手く先生にバレないように仮眠を取っていた。
HRも終盤に差し掛かった頃、先生が一言、
「えーっと、今日ね、転校生が来てるんだよ。
これから呼んでくるけど、ちょっと待っててね」
ふーん、転校生か。たしかに今はその時期だよな。
って思って見向きもしなかった。
「…失礼します」
凛とした声、どこかで聞いたことがある。
4年前の、あの頃に聞いた声。
「…まじかよ」
俺はそう言うしか無かった。
「彼女」は「返って」来たようだ。
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