第4話「決裂」と「決別」
悔しいと感じ、自暴自棄になってから2年。
俺たちは中学を卒業した。そして春休みを迎えた。
「楽しくねぇ…」
俺は「日常」を謳歌することができなくなった。
「日常」でも今の日常を謳歌できなくなったのではなく、
2年前の、唯香がまだいた頃の楽しかった「日常」を謳歌できなくなったのだ。
想像してくれ、自分の大切な人を急に失ってから
それまでの人生を「楽しい」と思えるだろうか。
人によるだろう、でも俺は楽しくない。それが当たり前なのかもしれないが。
さてと…
時は流れて春になる。
もう、春だ。いや、春になっていたと言うべきか。
俺たちは高校生になっていた。ただ一人、なれなかった人を残したまま。
入学式、新入生歓迎会も行かず、一人家に引き籠る。唯香がいない苦しさを抱え、ずっと思ってる。
それでも高校は甘くない。
「学校に来ないと留年確定だぞ」と、言われるがままに高校は行った。それでもやっぱりつまらなかった。
「唯香…、もし良ければ…俺のもとに…返ってきてくれよ!!」一人自室の壁に喋る。
ただ、この時の俺はまだ知らなかった。
彼女が…
再び
「返って」来ることを。
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