第14話 当て馬部の謎を追え
現在、二年二組のクラスは大きく揺れようとしている。
スタートは数人の女子の変化からだった。
それがどんどん広がっていき、男子対女子のような構図ができてしまっている。
中谷浩には、仲のいい女子が二人いた。一人は佐々木清美、もう一人は田村小夏である。
ずっと三人で仲良くやってきたが、なんとなく三人の関係性にヒビがはいってきたようにかんじる。
きっかけは明白だった。
今、学校中で波紋を呼んでいる「当て馬部」である。
佐々木清美と田村小夏はその部活に出入りするようになってから何か違和感がある。
佐々木清美はもともとサバサバしていたが、たまにすっと一歩ひく癖があったが、今ではほぼそんなことはなく、凛として自分の意見を言うようになった。
元々男女共に人気はあったが、今では堂々とファンクラブまでできるようになっている。
田村小夏は小さい小動物のような少女である。
今までは清美の後ろにか隠れてもじもじしていた。
うっすらと、中谷に好意を寄せていたはずなのだが、
ある日を堺に中谷に対して好意を見せなくなった。
中谷自体は昔から清美に惹かれているので、好意を見せなくなったことはありがたいのだが。
中谷の周りで起きていることがこの学校中で起きていて、不穏なのは「当て馬部」での活動内容がほぼ内緒なことと、
一定の時間、相談者と言われる女子が生徒会長と二人っきりになってることだ。
中谷は当て馬部を覗きにいくこととした。
達筆な文字で当て馬部とA4で書いてある空き教室の扉をあけると、そこには海藤ではなく、朝美怜奈がいた。
海藤と並んでいる姿がよく見られてるからあまり気になってなかったが、単体で見ると美少女だ。
朝美はこちらを見ると、
「中谷くん、そんなところにいないで、中にどうぞ」
中性的な声にどきりとする。
「よく名前知ってましたね?」
緊張して声がふるえている。
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