第13話
田村小夏を見送ったあと、大きな伸びをしていると
どこからともなく、朝美がやってきた。
「りょーちゃん、おつかれ。今日は何か、爽快な顔してるね」
朝美はいつも通りからかってくる。
「まぁね。田村さんにはひどいこともいっちゃったのに、最後は元気になって帰っていったからよかったなーと思ってるよ」
「りょーちゃん、結構相談役向いてるのかもね」
真面目なトーンで言ったかと思えば
「まぁ、りょーちゃんの、出会い増えていってないけどー」
歌うようにディスる。
「最悪、私が嫁にしてあげるよー」
楽しそうに宣言する。
「嫁?」
「そう、りょーちゃんがお嫁さんだから、ウェディングドレスか白無垢着るんだよ」
「は!!??ふざけるなー」
海藤は叫んだ。
数週間がたち、着々と女子生徒の相談にのって、見事解決していく海藤。
残念ながら海藤自体の恋愛の方には何の進展もなかったが、ある意味、人の役にたつことが、海藤の性格にはあっていた。
女子からの人気は以前から高かったが、
アイドルのような存在から頼れる人としてに変わっていた。
変わりに男子生徒から、当て馬部は不穏な存在として、認識されるようになっていた。
相談者を女子に絞っていたことと、
相談中は海藤と女子生徒の二人っきりになっていたことが、変な噂をうんでいた。
相談と称して、海藤が女子生徒に手を出している
という噂だ。
その度に相談者の女子たちが力一杯否定している。
「そろそろ相談を男子にもひろげてもいいかもな」
海藤は朝美に伝える。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます