第4話 クラブ活動

「最近恋愛はしているのか?」

おっさんもとい、幼馴染みは語りかける。

「してるはずないだろ?誰かを好きになるたびに、その人が誰かと恋愛を成就させる。もう恋愛なんかしなくてもいいかもしれないな」

少女は小首を傾げる。前髪がさらっと揺れ、ぱっちりとした目がキラキラと光っている。

「せっかくの青春がもったいないじゃないか」

否、美少女ではなかった。中身はおっさんだ。

「とはいえ、恋愛だけが青春ではない。

しかも、お前のその呪いはある種能力だ!

クラブを設立しよう!恋愛クラブだ!」

変な調子でマシンガントークをする少女の皮を被ったおっさんの謎の発言に今度は青年の方が首を傾げる。

「? 話が飛躍していて、意味がわからん」

少女は歌うように高らかに宣言する!

「だから、恋愛をしている女の子のサポートクラブだよ!レッツ当て馬!」

このテンションになってしまった幼馴染みを青年は止める術を持たない。

しかも質が悪いことに、少女は行動力と判断力と機動力と能力を兼ね備えている。


その日謎の当て馬クラブが誕生した。

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