夜
必要以上に暗い夜。静かな夜。
影は一つ、ぼやっと揺れる。街灯がジリジリと照らす。
次の灯りまで、また暗い道。一人。
冷たい風が頬を撫でる。孤独な吐息が白く濁る。
必要とした夜。甘美な夜。
二つの影は激しく揺れる。室内灯は薄暗い。
次の時まで、長い道。一閃。
温かい手が頬に触れる。濡れた紙が白濁してる。
必要とされた夜。辛い夜。
影の一つがよく揺れる。真っ暗。
おわりが来るまで、耐える。ひとり。
冷たい感触が背筋を通る。記憶だけが混濁してる。
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