最終章

「楓ちゃーん!どうしても俺の方が着くの遅いや!本当に、いつも何分前に着いてるの?」

「約束の30分前にはいるよ」

「え!なんでそんな早いの?待つ時間長くなっちゃうじゃん!」

「篤也くんを待っていたいの。この気持ちは初めて二人で出かけたあの日からずっと、1ミリも変わらないんだ!」

そう言った彼女は、満開の笑顔を咲かせて見せた。とめどなく愛おしさが溢れ出す。そんな彼女の笑う姿を見て、僕も笑った。

          *

 僕はきっと本の中のキミに恋をしたのかもしれない。あの本に、キミに救われた。けれど、春、キミの咲かせたあの満開の笑顔に、僕はもう一度恋をしたんだ。

               ~END~

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キミの笑顔が見たいから~いつか貴方と出逢えたときにanother story~ @aoi_03_

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