第7章

 楓さんとデートできる!僕の心は今まで以上に高鳴っていた。早く集合場所に行きたい。早く楓さんに会いたい。小走りした僕の目の前に、楓さんがいた。普段より、そして昨日よりちょっとオシャレをした彼女は最高に可愛かった。

 僕たちは新宿で一番人気のカフェに向かう。向かっている時、僕はとにかく嬉しくて、楽しくて、彼女の隣を歩けていることが幸せで、きっとずっとハイテンションで話していたのだと思う。カフェに到着し注文を済ませドリンクをもらうと、混雑している中あいていた席に彼女と向かい合って座る。彼女と正面から向かい合うのはすごくドキドキした。いろんな話をした。僕が彼女の人混み嫌いを知り焦っていると、彼女は今日初めて笑ってくれた。それが嬉しくてたまらない。一瞬お互いの顔を見て、一度そらし、もう一度見ると二人は笑う。そんなたまらなく愛おしい時間がいつまでも続けと、僕は切に願った。

 彼女のこともたくさん知れた。年齢は僕の一個下。大人っぽく落ち着いた雰囲気の彼女は、てっきり僕より年上だと思っていた。僕の年齢を知った彼女も、少し驚いたのだろう。僕の好きなもの、彼女の好きなもの、そんなことを共有できたのが嬉しくて、3時間は一瞬にして終わってしまった。

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