第4章
帰宅すると、琴音から着信があった。
「あ、お兄ちゃん?ことだけど。」
「おお、どうした?」
「ことの調子が悪い時に貸してくれた本あったでしょ?あれ返そうと思って、郵送で送ったから~」
「本?ああ、エッセイ本みたいなやつか。了解!ありがとうな!」
当時読んで涙した自己啓発エッセイ本を、琴音にも読んでもらいたくて貸したのを思い出した。ポストを確認すると、確かに琴音からの郵便物が入っていた。久々に読んでみるか…なんて思い封を開け読んでみる。当時の感情と全く同じ感情が溢れたかと言ったらそうではないが、やはり心に響く言葉ばかりだった。パラパラと流し読みをして、最後に著者についてのページを読む。当時この人に会ってみたいとか思ってたな…なんて振り返っていると、著者の名前を確認して驚く。
「鈴木 楓」
ん⁈鈴木楓⁈って今日カフェにいたあの人と同じ名前じゃん!いや…同姓同名ってだけかも…とかなり焦って思考がグルグル回る。いや、でも、電話で「自己啓発本」的なこと言ってたし絶対あの人だ。俺、この本書いた人に出逢えたんだ!そう思った瞬間、どうしようもない嬉しさが溢れ出した。早く、早く、また楓さんに会いたい!
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