第115話 魔王城2
コロを体の中の
『さーて、次は何が出てくるかな?』
「何だか、またチンケなのが出てきそう」
「早く出てこい。早く出てこい」
しばらく待っていると、『魔王城』の方から単調な
これは期待していいんじゃないか。
地響きの
そいつがドシン、…ドシン、…ドシンと、ゆっくり地響きを上げながらこっちに向かってきている。
『今度は大型ゴーレムみたいだけど、どうする?』
もはや休憩モードで俺の横で腰をおろしているトルシェとアズランに聞いてみた。
「もう面倒だから、コロちゃんに食べさせればいいんじゃないかな」
『あんな大きいのが食べつくせるかな?』
「試してみて、お残しするようならわたしが吹き飛ばしますから大丈夫でしょう」
トルシェのヤツ、どうもやる気が失せて来たようだ。
どちらにせよ、以前戦ったゴーレムは強敵だったが、今の俺たちはあの時の俺たちじゃない。それにアズランもいればコロもフェアもいる。さらに言えば究極兵器リンガレングまでいる。
何も恐れるものはない。
ドシン、…ドシン、…ドシン。
近づいてきたのでゴーレムの造作がはっきり分かるようになった。こいつは石でできたゴーレムだ。歩くたびに小石が体からカラカラ音をたてて落っこちていく。大丈夫なのか? なかなかこっちに来ないので、俺の方から近づいていき、ご
『コロ、やっておしまいなさい!』
その一言で、ナイト・ストーカーの隙間という隙間から、
何でも食べるとはいえ、石をあれほど大量に食べてしまったコロが少し心配だ。コロが
とはいえ、俺たちにこんなチンケな攻撃、しかも戦力の
一人ツッコミを入れても仕方ない。
『俺もなんだか面倒に思えてきたんだけど、そろそろ「魔王城」に押し入って、目ぼしいものをいただきにいってみるか?』
「
そういうことで、アズランを先頭に俺たちは『魔王城』に向かっていった。フェアは
目の前に垂直にそそりたった城壁を前にして、
『この壁は乗り越えるにはちょっと高いな。どうれ、壊してやるか』
俺も、
エクスキューショナーを鞘に戻し、両手でリフレクターを構えて思いっきり城壁にたたきつけた。
ドーン!
鈍い音を立てて、リフレクターが城壁にめり込み、そこから城壁の石組みに
そうれ、もう一回。
ドーン!
今度はさらに鈍い音を立ててリフレクターがめり込んだが、壁は亀裂を広げ大きく
「ダークンさん、ここはまたコロちゃんの出番では?」
確かに、ついみんなにいいところを見せようと張り切ってしまって逆にカッコ悪いところを見せてしまった。
『コロ、正面の壁に
またコロの触手が伸びて、正面の城壁が崩れていき、大きな
『うまくいった。それじゃあ中に入るぞ』
こういった城壁には、中に通路などが通っていることがあったと思ったが、この城壁にはそのようなものはなかった。ただ石を組み上げて造られた単純なものだったようだ。城壁のどこにも矢を射かけるような
城壁を越えた先は、
「よーし、
すでにトルシェは左手に『収納キューブ』を握っている。これこそがトルシェの
俺が先頭に立って石段を駆け上がり正面に見える大きな扉を押し開いて城の中に突入。
ホールの先に進むと、そこから上りの石段になっていて、それが正面の
『ここは別れない方がいいだろう。どっちに行く』
「それは、もちろん右でしょう」
なんでもちろんなのかは分からないが、トルシェの言葉に従って、右に折れて二階に
二階に
その廊下にはたくさんのドアが並んで、ところどころに飾りの壺や
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