第24話 魔法と鑑定結果
やはり見てて派手なのは、ファイア・ボールだ。
両腕を曲げて、手のひらを広げ、足の間隔を広めにとった上、やや腰をおろしたトルシェが、『ファイア・ボール!』と叫ぶと、まずトルシェの手のひらの先にドッジボールほどの大きさの圧縮された炎の塊が生まれる。
その炎の
まさにわが眷属の
そして、トルシェが目標のスライムに向け炎の塊を押し出すように両手を伸ばすと、その炎の塊がゴーと音を立てながら飛んでいく。手を伸ばすとき、トルシェは『いっけー!』などと無意識に叫んでいるようだ。
命中した炎の塊はそこで大爆発して周りのものをスライムもろとも吹き飛ばす。もちろんスライムは跡形もなくなってしまうのだが、壁や床がすこし
気持ちよさそうに乗っているところを
どこの世界にも
ウォーター系の魔法は、スライムに使わないほうが良さそうだった。
『ウォーター・ボール! いっけー!』
トルシェの掛け声で水の塊が高速でスライムに当たるので、その衝撃でスライムを一撃でたおすことはできるのだが、黒い液体となったスライムがウォーター・ボールの水に混じってそこらへんに飛び散り、通路がびちゃびちゃになってしまう。
スライムの黒い液の混ざった水で濡れた場所を踏んでしまうと、俺は何ともないが、トルシェの履いている革の
『トルシェ、魔法ってそんなに何回も続けて撃てるものなのか?』
『あれ? そんなことは無いんですけど。大抵の魔法使いの人は1日に10発も攻撃魔法を使えばそのあと半日は休まないと魔法は使えなくなると聞いています。わたし、ちょっと変ですね』
『変なのかどうかはどうでもいいけど、いいことなら
『エヘヘ。でもなんだか、ダークンさんに言われたたら、疲れが出て来たような。
そう言ってトルシェがリュックからあの水の入った水袋を取り出して
『あれー? すごい。体から疲れが抜け出て行くみたいにしゃっきりしました』
『なんか、その水、危ない水みたいな効果があるんだな。まあ、指輪あるから心配はいらないだろ』
『そうですよね。えへへ』
やはり、あの水にはとんでもない
とにかく、魔法をどっかんどっかん撃ちながら通路を進み、なんとか鑑定石のある部屋まで戻ってきた。
『さーて、お待ちかねの鑑定だー。トルシェ、おまえが先に鑑定しろよ』
『ええ、ダークンさんが先にして下さいよー』
『それじゃあ、俺が何に進化したのか鑑定するぞ』
鑑定石の上に右手を置いて、左手で、側面の謎文字に触れた。
『
『注目の鑑定結果はぁー!!』
「鑑定結果:
種族:ブラック・スケルトン」
『やったー! ブラック・スケルトン!』
まんまじゃないか。
まあいいか。まえに鑑定した時は気力が吸われたような気がしたが、今は何ともないな。確証はもちろんないが、これも進化のおかげなんだろう。
『トルシェ、やっぱり俺はブラック・スケルトンだった。次はおまえな』
『それじゃあやってみます』
トルシェも俺の真似をして鑑定石の上に右手を置いて、左手で、側面の謎文字に触れた。
『果たして鑑定やいかに! ……注目の鑑定結果はぁー!! で、どうだった?』
『はい。やっぱりダーク・エルフでした』
『それじゃあ、次、トルシェの弓、行ってみよう』
『はい』
トルシェが短弓を鑑定石の上に置いて、謎文字に手を触れた。
『ジャカジャン! で?』
『これはすごいですよ、今言いますからね』
<鑑定石>
「鑑定結果:
名称:
種別:短弓
特性:命中率大幅アップ、貫通力アップ、破壊力アップ、クリティカル率アップ、特に頭を狙った場合のクリティカル率は大幅アップする。命を奪うことにより強化される。自己修復」
『どうです、すごいでしょう?』
『そうだな。俺の言った通りだったろ。あれだけ
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