第12話 かわいい女子がスキンシップしてくる時は大体高い絵を売りつける為だと相場で決まっている

「北原くん。貴方今後はどうする予定なの?」



 感情の切り替え早っ。流石に恥ずかしかったのか、こほんと可愛い咳払いをひとつ。さっきの謎テンションがまるでなかったかのような態度だなぁ。なんて強メンタルだ。


 これ、触れない方が無難な気がする。ていうか、目で騙ってるもん。触れたら潰すと。何が潰されるんですかね……(震え)。こわい。



「え、あーどうしよっかなぁ」



 ボリボリと後頭部をかく。大まかには決まってるけどなんか言いづらいんだよなぁ。あんまり誉められたことじゃないし。



「無計画なのね。貴方の人生を現すようね」



「やめて、正直ニートな未来とか見えるけどやめて」



 このままいくと単なる穀潰しなる気しかしない。ごめんよ、パパン。あ、でも、世界がこうなったから職とかないよなぁ。つまり、全員ニート。やったぜ。



「まぁ、大まかにはある。とりあえずこの世界生きるためには強くなきゃいけないと思うからモンスターを倒してレベルを上げようかなと思う」



「当然ね」



「あと、強くなったから虐めてた奴らに復讐でもしようかなと」



 流石に嗜められるかなぁ。でも、復讐はしたい。そう言われたら斎藤さんとはお別れかな。出来ればパーティーを組みたかったけど、こればっかりはしょうがない。自由に生きたいのでしょうがない。



「そう。手段は?」



「え?」



「だから手段よ。まさか殺すだけじゃないでしょう?」



 ええーそれ以上があるんすか。



「あるに決まってるわ。殺すだけじゃ相手が苦しまないじゃない。やるなら徹底的によ。拷問も悪くないけど、おすすめは両足を切断させて機能不全にさせるとかね。一生最悪の人生を送ってくれるわ」



 こえー!!!


 止めるどころか倍プッシュだよ、倍っていうかフルバーストだね!!でも、ありだな。



「あ、はい。じゃあ、それで」





 ーーーー



「パーティーを組まない?」



 まぁ、あれだ。前回何も要求しなかったのはこのためだ。



「私この手の話には疎いのだけれど、それはシステム的にもメリットはあるのかしら。」



「いや、システム的には多分ないよ。強敵や複数の敵が出たら僕一人じゃ太刀打ちできるか分からないし一緒にチームを組んでしばらく行動できたらいいなと思ったけど……ダメだよね……」



「いえ、いい案だと思うわ。何故私が断るように思っているのかは疑問だけれど」



「えっ いいの?」



 まさかのOKですよ。驚いた。まぁ、彼女もソロで戦うなんてリスクは犯せないか。



「じゃあ、これからよろしくお願いするわ」



 そういって手を突きだす斎藤。え?友達料金とか?スキル買ったからお金なんてないっすよ?



「どう考えたらそんな思考にたどり着くのかしら」



 いやぁ、ほら。なんというかね。家の家訓というか経験談というかね。ビジュアルレベルが高い人間がお前に近づく目的は9割詐欺で残り1割は罰ゲームだと固く教えられている。僕がパーティーに誘っといてあれだけど。



「はぁ、もういいわ。よ!ろ!し!く!お!ね!が!い!ね!」



 諦めたようにため息を吐いて無理矢理手を捕まれた。



「お、おう。よろしく」



 そんな手に力込めないでよ。痛い。ていうか、過度なスキンシップは控えてほしい。男子高校生がどれだけチョロいか知ってる?目があっただけで惚れるんだぞ!


 ほんと、やめてほしい。


 惚れたらどうしてくれるんですかね、全く。


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