第4話不退転の意志と大自然の恩恵~あるいはフラグ回収について~
よし帰ろう。
なんかフラグが立ってしまったような気がするので今日は取りやめとします。
ヘタレ言うな。
あいむ8歳。
装備は「むらびとのふく(※ボロい):防御力1」。
なんかあったら軽く死ねるので危機管理能力は必須ですしおすし。
フラグ建築士の資格なぞボクのキャリアには不要!
あ、ハーレムフラグは例外で…!
と言う訳で後ろに向かってぜんし…
「おまたせー!どーん!!」
ぐっふぅぅっ!?
「おもたせー♪どっどーん♪」
ふぎゃぁあっ!!
…へんじがない。ただのしかばねのようだ。
「にひひ、りっくんざっこーっ♪」
「にぃに、ざっそー?」
妹、誰が雑草か。
「にぃにw?」
妹。草生やすな。
…そろそろ本気で妹が転生者じゃないか、調査しておくべきだろうか。
後、ライカ嬢&妹。
不意打ちのジェットストリームアタックは止めなさい。
「えー?りっくんヒョロいから鍛えてあげてるのぉ。もうちょっと甲斐性ないと将来…ごにょごにょ…したとき、困るしぃ…。」
「にぃに、かいしょーなしー?」
ぐふぅっ(吐血)
い、妹…元独身アラフォーにその言葉は刺さる…!
あ、ライカ嬢、なんか言いました?
「な、なんでもなーい!それより森に入るんじゃなかったのぉ?」
あー、その案件でしたら今回は見合わさせていただきたく…。
「えー?せっかく準備してきたのに帰るとかないしぃ。」
あ、コレなんかスイッチ入ってるやつ…?
こうなると聞かないんですよね…断ったら一人でもいくよなーコレ。
「…いぇっさーまむ。」
しゃーない、逝くか…。
改めて3人連れで森へ分け入ります。
森の端、日の当たる部分は濃い草むらに覆われています。
獣道にも容赦なく葉を伸ばすコイツらを踏み折るようにしながら奥の方へ。
ある程度背の高い樹が多くなると、雑草は減り、湿った落ち葉や赤土が足元を覆うようになります。
外よりも少しだけ薄暗く、ひんやりとした空気と木々の匂い。
静けさの中に、時折どこからともなく木霊するように聞こえる鳥の声。
前世も山がちな所で育った身としてはかなり落ち着く空間です。
っと、この辺りで良いかな?
ある程度獲物が多いポイントで手分けし、探索を始めます。
あ、妹は腰に縄着けて監視しておきます。
コイツの行動力は甘く見たらあかん
あ、コケモモ発見!
うん、あまずっぱい。
…そこの欠食児童共。
ちゃんと分けるからこっち見んな(゜д゜)。
そのまま昼を回るくらいまで探索し、コケモモを始めそこそこの山菜をげっと。
そろそろ腰も痛くなってきたし、潮時でしょう。
森では昏くなる前に撤収、が鉄則です。
「おーい、そろそろ帰るよー?」
少し離れた場所にいるはずのライカ嬢に声をかけます。
がさがさっ。
と、背後のの草むらが音を立てました。
こっちにいたのか、と振り返ろうとすると、その反対から
「えー、もぅ?ま、いっかぁ。いっぱい採れたし。」
とライカ嬢の声が。
・ ・ ・ お や ?
ギギギっと錆びたブリキのロボットのような動きで振り返り、音の立った草むらを見ると…。
「ぶふぅーーーーーーーーっ!!!」
鼻息荒くこちらを睨む牙猪がおりましたとさ。
くそぅ、やっぱフラグ立ってたじゃんっ…!
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