第3話褐色の暴虐と危地の予感~あるいは衣食の重要性について~
今日のお仕事終了(暫定☆)。
あ、母上、サボってませんよ?
かくかくしかじか。
「まるまるうまうまー♪」
てなわけで、経過観察中なわけです。
はっ!実験成功の暁には必ずやよりお役にたてるものと…。
良し勝訴っ!!
「だいいちぶかんっ!!」
…妹、なんでそのネタ知っとるの?
「めーわかんなーい♪」
…可愛いので許す。
さて、母の許しを得た所でお散歩兼晩御飯のおかず探しにしゅっぱーつ!
本日は森の浅層を回ってみたいと思います。
「奥には絶対に行っちゃダメよー?」
はーい。
ちなみにお昼ごはんはありません。
基本的にこの世界、一日2食なんですよね。
そのうちなんとかしたい所。
ひもじいのは辛いのです、育ち盛りなので。
うーん、そういや昨日も思ったけど、このスキルで収穫量上げられたりしないものか…。
ぽくぽくぽく…ちーん!
あ、そういや半分ネタ知識だけどアレがありましたよ。
明日辺り試してみようっと。
なんて考え事しながら無防備にのこのこ歩いてたのが運の尽き。
「あ、りっくんじゃーん♪てやっ!」
うげ。
あたたたたっ!ぎぶぎぶっ!!
「にゃははは、よっわー♪」
はい、この見下し目線に八重歯光らせて笑ってやがる小悪魔。
我が宿敵にして三つ上の幼馴染、ライカ嬢です。
母親が南の出身とかでこの辺りには珍しい褐色肌に金髪ツインテ。
結構な美少女なんですが…
天職…武闘家。
神様、力を与えちゃいけないヤツっていると思うんスよ?
寒村ゆえに同年代が少ないせいか、ボクを見かける度に絡んできやがるのです。
いやまぁ痣を見せて訴えましたよ?親に。
そこ、卑怯とか言わない。
この年代で3歳差はでかいのです。
おまけに幼児とは言え天職ブーストかかってる上にまともに手加減もできないので本気で洒落にならん。
おかげさまで打撃系コミュニケーションは卒業された模様。
だがしかし!
打撃系だと痣が残って叱られると学習したヤツはサブミッションを習得してきやがった…!
まぁボコスカされるよりは手加減も効くし、マシにはなったんですが。
ただねぇ…このあっちこっちスキだらけの恰好で組み打ちとか。
そーろそろ恥じらいってものを覚えてみないかね?
「にひひっ♪なにー?意識しちゃったぁ?」
しばきたい、この笑顔。
実際問題8歳児の肉体のせいかまだまだ性欲とか無いので気まずいとゆーかもにょるとゆーか…うん、アレだ。
父 目 線。
そう、くっついてきてくれるのは今だけ…そのうちお父さんくさーいとか言い出して…っ!
ちょっと悲しくなってきた。
全娘持ちのお父さんごめんちゃい。
「で?どっかいくのぉ?」
森。
「しょーがないなぁ、ライカも行ってあげよっかぁ?」
いや無理。
「なんでっ!?」
…その格好で森に入るとか正気?
「ぬぐぅ…!」
ちなみにコイツ、さっきも言いましたが母親の影響(布地少な目)プラス天職的に動きやすさを追求した結果かなりスキだらけの恰好してらっしゃいます。
油断してると見えちゃイケナイものが…ってレベルで。
ホントに大丈夫かこの痴少女。
…これでサブミッションとか、将来思い返したら黒歴史になるんじゃなかろうか。
あ、ボクロリではないので微妙に気まずい程度です。ロリではないので(二度言った)。
で、まぁこんなんで森に入った日には虫刺されとか擦り傷切り傷待ったなし。
やべー毒とかある植物とかもあるんですよ?漆とかギンピギンピとか。
ちなみに良くアニメとかで草原でゴロゴローっとかやってたり、膝まである草ッ原駆け回ってるの見ますけど、アレ、かなり難易度高いですからね?
普通の草原とかで転がったらほぼ確実に虫の群れとか突き出た石とかに突っ込みますし。
蛇をはじめ何がいるか分かったもんじゃない上、切れる葉っぱや棘ありの草なんかも確実に混ざってる中駆け回るとか、かなりガッチリと足回り固めてないときっついものがあります。
閑話休題。
「おぼえてろよーっ!」
すたたたたっ。
走り去る年上。
…小悪魔じゃなくて小悪党だった模様。
「あ、着替えたら追いかけるからぁ!」
おい。
と、なんやかんやありつつ森の入り口に到着。
一応この入口(と言っても獣道程度ですが)から100mくらいは何十年もかけて魔物あーんど獣除けの処置がしてあるのでギリ安全。
そこまではある程度分別がついてれば子供だけでも入れます。
まぁごくごく稀に追われた野犬なんかが獣除けを抜けてきちゃうこともあるようですが、確率的には前世の交通事故よりはるかに下。
この世界でそこまで気にしてたら生活できんのですよ。
…アレ?今フラグ立った?
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