第7話 そっか……

扉を開けて、俺の目に映ったのは、風に黒い髪がなびく優の後ろ姿だった。


扉の開いた音に驚いたのか、優がこちらに振り向いて目を丸くさせている。


「坂本くん、どうしたの?」

「どうした、じゃないだろ」


いつもの雰囲気と違う俺に優は、驚いているようだ。


のここで何してる?」

「……」


動揺しているのが俺には分かった。


「優……お母さんが亡くなったんだろ?」

「っ!!」

「……女子たちが話してるの、聞いた」

「そっか……私の心、見透かしてくれたんだね……」


いつもの悲しい目でそう言う優に、俺の心は締め付けられた。

そして優は静かに口を開いた。

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