第6話 え? おい、まさか


そんなことを考えながらもう少しで、階段にさしかかろうとした時に俺は目を疑った。


(え?)


階段を上ってきたと思われる優が、向こうに廊下を走っていく。


(もう大丈夫なのか……?)


体調を心配していたので、元気なところを見られて安心した。

だが、待て。


優が走って行った場所は、屋上に繋がる階段しかない!!


俺は急いでその後を追いかけた。


おい、まさか、飛び降りる気か?


嫌な考えが俺の頭を横切った。


もしそうなら、絶対に止めなければならない。


屋上に続く階段の前まで来て、俺は気づいた。


コーンとコーンをつなぐコーンバーに貼られた「立ち入り禁止」と書かれた紙が取れかかっている。


優がここを通った証拠に違いない。


「紙が取れていた」という理由で、誰かが屋上に行かないよう、この紙は定期的に確認されているのが、先生たちがこの廊下を行き来しているのを見かけるので分かる。


俺は、コーンバーを飛び越え、階段を駆け上がった。


鍵は開いていた。いや、そもそも掛かっていなかったという方が正しい。



屋上に続く扉。


これの欠点は、危ないと言っているのに、コーンをたて、コーンバーに貼り紙をしているだけで、扉のカギを閉めていないことだ。

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