第2話 知ってるよ

掃除の時間になった。


よっしゃ!! 優とおんなじ掃除場所だ。


週2ある掃除はいつもくじ引きで場所を決める。


神様に感謝!!


初めて優と一緒になれた。こんな嬉しいことはない。


掃除場所である階段に行ってほうきを持った俺は階段を掃き始めた。後から来た優もほうきを持ち、俺が見上げることが出来る踊り場を掃除し始めた。


ナイス!! 優! 優と近い!


俺は掃除が好きだから掃除の時間は全く嫌ではない。優を見る限り、嫌な顔1つせず黙々としている。  


掃除が好きなのかな。そうだといいな! 話題として話せる!


「あ~もうきれいになったし、いいか!」

「そうだな、終わろ終わろ!」

「ちょ、お前ら、まだ掃除時間はおわってねーぞ!って、聞けよ」


あいつらは聞く耳を持たずどこかに行ってしまった。あいつらが掃除した場所を見てみる。


「まだゴミが残っているじゃねーか。はあ、あいつらの目は節穴なのか?」

「ふふっ」


え、え? 今、誰が笑った? 待て待て、え、まさか……踊り場を振り返る。


「ふふふ」


ゆ、ゆ、優が笑っている!? え、え、俺なんか面白いこと言った?


「坂本くんって面白いんだね」


ちょちょちょ、い、今な、名前呼ばれた!? 


こんな機会はないと思い切って話しかけてみる。


「そ、掃除好きなの?」

「うん、掃除するの好き」


あぁ~!! お、俺は優と話しているぞ!! 


もしかしたら二人きりになれる機会なんてもうないかもしれない。告白するのに最適な屋上は危ないと行くのが禁止されているし。


いや、もう、この思いが抑えられなくて溢れ出しそうだ! 伝えたい!


「あ、あのさ、急にこんなこと言われても困ると思うんだけど俺、ゆ、優のことが好きなんだ!」

「知ってるよ」


(え?)

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