心を見透かして。

BULLETandARROW

優の心

第1話 ヤバい。

あいつが好きすぎる。


「まーーた、お前は、あいつのこと見てんのか?」

「ばかっ! ちげーよ!!」

「ふっ、どうだか?」


園田優そのだゆう


クラスのナンバーワンクール女子兼俺の好きな人。


中学は一緒だったがほとんど喋ったことがなかった。高校に入ってから、隣の席になった。


優が、消しゴムを落として俺が拾ったことがあったが、その時に言われた

「あ、ありがとう」


イチコロだった。ヤバい。え、待って、優ってこんなに可愛く笑うのか? 

知らなかったことがもったいなすぎる!! 俺は何をしていたんだ! 中学時代!


しれっと優なんて呼んでいるが、リアルで呼んだことはない。恥ずかしすぎるから。


俺が教科書を忘れた時、優は机を寄せて見せてくれた。優の優しさに俺はだんだん惹かれていった。


だが、俺には引っかかることがある。優はいつも1人だ。どうしてなのか理由は分からない。それに優はいつも悲しい目をしている。


消しゴムを拾って渡したときに見せた笑顔でさえ、目はどこか悲しげな色を漂わせていた気がする。


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