番外編
私は朝日奈 柚、啓ちゃんの彼女だ。
そんな私は今とても悩んでいた。
「柚ー! きたよ!」
「あ、よく来てくれました、鈴菜!」
「それで緊急の用って何? もしかしてまたヤバい事?」
「うん、かなりヤバいかも……」
「どうしたのよ? そんな深刻な顔して」
「実はね……」
私は鈴菜に悩みの種を話した。
「はぁ〜!? 悩みってそれ?」
「うん、どうしよ?」
「そんなの本人に直接聞けばいいじゃん?」
「ダメだなぁ〜、鈴菜は! そんなの聞いたらバレちゃうじゃん! 」
そう、私はクリスマスプレゼントを結局啓ちゃんに渡せてない。 私の意識が戻ったのがプレゼントだよって啓ちゃんは言ってくれたけど私だって啓ちゃんに何か形に残る物をプレゼントしたい!
「でもね、私だって勘付かれないように探りは入れてたんだよ?」
「ふぅん、それで?」
それは啓ちゃんと一緒に帰ってる途中……
「ねねッ! 啓ちゃんってさ、アクセサリーとかつけないの? つけたら可愛いだろうなぁ」
「生憎だけど俺そういうのはつけないんだ、邪魔だから」
「じゃあ何か服とかは? 啓ちゃんのもっと可愛い服着たら完璧女の子だよー!」
「尚更嫌だな」
えー!? そうなの……
「あれ? でもペアリングはつけてくれてるようだけど?」
「ああ、これは特別」
「特別…… にひひ、啓ちゃん愛してるッ!!」
「うわっ! 危ないだろ! いきなりくっつくなよ」
「照れない照れない、フフッ」
なんて感じで終わっちゃったけど……
「結局ただ惚気ただけじゃない!」
「うん、そうとも言う…… でね、鈴菜も啓ちゃんの事好きだったんでしょ?」
「そ、それが!?」
「だったら! あげるとしたら何がいいか一緒に考えて!」
「そんな事言われても…… うーん、何がいいかなぁ?」
「私男の人からいろいろプレゼント貰った事はあるけど本当に好きな人には何あげたらいいかわかんないんだよねぇ」
「柚ったらすっかり恋する乙女ねぇ。 あ! 特別なら柚から貰った物も特別なんだから身に付ける物でいいんじゃない?」
「それは私も考えたけどいくら特別でも啓ちゃんもリングつけたり他に何かつけたりするの面倒かなぁって」
「財布とかは?」
「うーん、財布かぁ…… なんかピンと来ないのよねぇ」
結局決まらないままとりあえず鈴菜とデパートに行ってみる事にした。いろいろ見て回るがやっぱりどうにもしっくり来ない、本当に何プレゼントするか迷うなぁ〜!
あれ? そういえば鈴菜が途中からいなくなったような…… 私はキョロキョロと鈴菜が行きそうなショップを見渡すと
「ねぇねぇ柚! これ似合う?」
「こら鈴菜! 今日は服買いに来たんじゃないんだから!」
「あ、そうだった、ごめんごめん」
「もぉー、鈴菜ったら」
「啓の事となると柚は真剣ですなぁ」
「当たり前じゃん、私の全てはもう啓ちゃんのためにあるんだもん」
「はいはい、ご馳走さま」
「ん? これって…… これにしようかな」
「え? それにするの?」
「うん、これがいい! ピンときた!」
そしてようやく啓ちゃんのプレゼントが決まった。
「意外な物にしたね、もっとバカ高い物買うと思ってたのに」
「私もそう思ってたんだけどね、啓ちゃん喜んでくれるかなぁ?」
「まぁ柚からのプレゼントだしね、それならなんでも嬉しいんじゃない?」
「鈴菜、今日はありがとね! 」
「なんかあまり役に立ってないけどどういたしまして!っていきなりくっつかないでよぉ」
「あははッ、啓ちゃんと同じ事言っちゃって〜、照れるな照れるな」
そして日曜日、私は啓ちゃんの家に行った。
「お前は本当にいきなり来るよなぁ」
「うん、凄く会いたくて!」
「まぁいいけどさ、って何それ?」
「じゃじゃーん! 遅くなったけど啓ちゃんへのクリスマスプレゼント!」
「これって……」
「うん! フォトフレーム、写メとかで残すよりも実際の写真飾って啓ちゃんとの思い出作っていきたいなぁって。私なりに一生懸命考えたんだよ? ほら、8枚も飾れるしなかなかオシャレでしょ?」
「へぇ〜」
「ど、どうかな……?」
「うん! いいんじゃないかな、気に入ったよ!」
「ほんと!? やったぁー! 悩んだ甲斐があった、じゃあさ、早速写真撮ってすぐ現像して入れよ!」
「いきなりかよ!?」
「即断即決! じゃあ最初は一緒にラブラブな写真で!」
「はいはい」
そして現像した写真をフレームに入れた、これからも沢山沢山思い出を作ろうね? 啓ちゃんと私の物語はまだまだこれからなんだから!
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