第10話


私はあの後新村君と別れ家に着いた。


「ただいまー」


返事はないのはわかってたけどなんとなく。 電気をつける、そしてゴロンとソファに寝転がった。


あ、夕飯作らなきゃ! ううーん、疲れたからやめた。 テレビをつけるが観てはいない。BGMみたいなものだ。


そろそろ新村君帰ったかな?

私はLINEをさっそく送ってみた。 返ってこない。 さてはお風呂かな?

そしてまた送るが返ってこない。


おかしいなぁ……

あ、既読がついた。 じゃあ今からかと思い待ち構えているが返事は来ない。

既読スルーだ…… 新村君め


というか気付いたら夜中の1時を過ぎていた。 あ、私もお風呂入らなきゃ!


そしてお風呂上がり髪など乾かしてスマホを見るとやっぱり返ってきてない。

さすがに寝てるか。


だけど私が既読スルーされるなんて許せないので夜中にいっぱい送っちゃった。

気付けば朝方、私は眠りについた。


起きると11時になりそう。 どうしよう学校…… お金をおろす都合もあるので行く事にした。


学校へ着くと新村君の姿が見えた。 昨日あれだけLINEしたのにスルーしてよく私の前でそんな涼しい顔してられるわね?なんて思ったが新村君は私を鬱陶しがってるようなのでって……

自分で思ってて悲しくなってくるからやめとこう。


そして新村君と少しお喋りしていると授業が始まった。 新村君じゃないけど今日私は授業中起きてられるだろうか?


眠たい授業が終わり夏美と花梨が話しかけてきた。


「柚、聞いたよ? 昨日大変だったね。

通りで掲示板で柚の悪口書かれてると思った。」


夏美がスマホを私に見せた。

本当だ、ブスって怖いなって思った。


「私の事ヤリマンとかビッチとか……最悪あいつら」


「でも当たらずとも遠からずなんじゃない?」


「えー、酷いよ花梨!」


「あはは、新村君にも大分迷惑かけたそうじゃない?」


「ていうかさ、柚って新村君の事狙ってるの? 今までと違うじゃん。 柚の食いつきが」


夏美がそう言ってきた。うーん、どうなんだろ? 新村君は可愛くてついつい構ってしまうんだけど…… 確かにあんなに私の思い通りにならない男の子は初めてだし……


「ん〜、わかんないや」


「なんでそんな真剣な顔して言ってんの? まさか本当に?」


「まぁまぁ柚の事だから例えそうだとしてもすぐ飽きるって今までと同じように」


「ちょっとちょっと! 2人してディスんないでよ!」


はぁ〜と心の中でため息をつき新村君を見る…… いないし。


「あれ?新村君は?」


「本当だ、いつの間にか消えた」


「もう! どこ行ったのよ! 私探してくるから2人は帰っててね!」


「おやおや、新村君が振り回されてると思ったら柚もしっかり振り回されてるね」


「うっさい!」


私は新村君を探しに校内を歩き回った。 なぁんて! 昨日から考えるにまたあいつらと出くわさないように時間潰しでしょ?


だったら多分部室にいるはず! 私はボードゲーム部の扉を開けるとやっぱりいた。


ってなんか2人して独特の雰囲気なんか作っちゃって私を置いてったくせに。まぁ勝手についてきたのは私だけど。


読書中のようだ。 私は新村君をちょっとからかい新村君が何を読んでるのか気になったので覗いてみた。


なぁんだ、漫画か。 てっきり小説でも読んでるのかと思ったけど子供っぽいところもあるじゃない。


私は部室を見回したが全然私の興味を惹くものはなかった。 つまんないなぁ……

新村君いつになったら帰るんだろう?


しばらくするとようやく新村君が帰ると言ったのすぐさま私もついていく。

一緒に帰ろうと言ったけど新村君は渋るからなかなか面倒。


「でもさ、結局新村君一緒に帰ってくれるなんて少しは私に優しいとこあるんだね」


「昨日みたいなのはごめんだからな?」


「私がそんな奴に見える?」


「見える見える、問題しか起こさなそうだもん」


「じゃあさ、私といっそ付き合っちゃう?」


「はぁ?なんでそうなるんだよ?」


「新村君が経験ないって言ってたから私がなってあげようかなって」


「勘弁してくれよ……」


「きっと新村君は私の事好きになるよ、私の魅力に気付いてないだけ」


「お前よく自分でそんな事言えるな」


「だって私美少女だし」


そして新村君の狙った時間がよかったのかその日は何事もなくすんなり帰れた。

私的にはつまんなかったけど……

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