最終話

「ねえ。お兄さん、遊んで遊んで」


 つくづく鬱陶しいガキだ。俺はてめえの保護者じゃないんだ。


「あのな。俺は安い安い給料でこき使われている身だ。雇い主がうるせえから最低限の面倒は見てやる。だがな」


 俺はクソガキに向かって吐き捨てた。


「それ以上を求めるならもっとカネ寄越せ。ま、ガキのお前にゃ」

「はい。どうぞ」


 どこから取り出したのか、ガキの手には札束が握られていた。


「……ふん。いいだろう。で、何して遊ぶ?」

「破滅ごっこ」


<了>

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無幻都市 電咲響子 @kyokodenzaki

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