第2話

 狂った子供には狂った親がつきものだ。


「現行法で裁けないのが歯がゆいな。規制、規制でメディアが報道すらできん」

「しかし被害者もかなり荒れた人間だったとか」

「ホトケさんのことを悪く言うのはやめておけ」


 俺は多分、古い人間なのだろう。今の若い連中と違い、簡単に割り切れない。

 それが時として捜査の邪魔になると理解していても。


「それでは先輩。僕は署に戻って書類を作成しておきます」


 ああ、頼む。そう言って俺は小雨が降る中を当てもなく彷徨さまよった。

 幸いなことに、俺には家族がいない。

 だからある程度自由を謳歌おうかできる。今の自分のように。


 ……本当にそうか?


 俺は俺の内面からがんじがらめにされている気がする。

 いっそあの部下のように、からっぽになれば楽なのかもしれない。

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