外伝5話 道化師ヴァルナード

「ヴァルナード様!ほ、報告です!」


コウモリのような姿をした下級悪魔がヴァルナードの足元でとまった。


「おや、どうされました?」

「その、れ、例の件ですが...厳しい状態で...ございまして...」


それを聞いたヴァルナードはニコッと微笑みかけた


「上手くいかなかった、と?」

「はっ...やつらに勘づかれまして...」

「ふむ、それは仕方ないですね。わかりました。報告ご苦労様です。では貴方はしっかりと休みなさい」

「よ、よろしいのでしょうか...」

「えぇ、」

「ほっ...それでは私は」


「永遠に、ね。」

「は?...っ...」


突如、下級悪魔はヴァルナードに片手で容易に潰され、絶命してしまった。まるでレモンを絞るかのように悪魔から血が地面に滴り落ちた。


「...ふふ。くっくっくっく...許すわけねェだろうが!てめぇみたいなのは山ほど替えがきく。アリ1匹潰すのと変わりねぇんだよ!任務、厳しい?ん〜仕方ないでちゅねえ〜...ってぇ!!ならないですいねえ!無能は死ぬ!それが世界の摂理デスよぉ!ぎゃあははははははははははははは


...ふぅ、やはりやはりやはりぃ!こっちの方がラクでいい!普段は堅苦っしくてないですよねえ!...まあ、嫌いじゃないですが!!

ひゃああああはははははははははははは!

残念ですがあの任務はフェイク!あれ?あれれれれェ?おぉなんと、あの悪魔は死ぬ定めだったなんてぇ!しくしくしく...可哀想なヤツですネぇ!!

...それにシてもぉ、魔王...あの方がまさか、ルシファーだったとはぁ!!あぁなんたる運命ィ!これも神とやらのお導きぃぃ!ぎゃあははははははははははははは

まあもっとも、ルシファーは相当恨んでいるようですがねえ!お〜怖い怖い

さてさて、計画もそろそろ第2段階ですか。絶望に変わる顔がたァのしみですねえ!!では、そろそろ演じるのを再開するとしまショーかねえ!ふ...ふふ...かかかっかっか...ぎゃあははははははははははははは」


口を大きく開け、舌を出しながら大笑いするヴァルナード。バカ笑いしているのが聞こえ、不審に思った悪魔がヴァルナードの後ろに近づいていた。


「お前...ヴァルナードか?すげえ笑い声が聞こえて来てみたが...いつもと雰囲気が」

「おんやぁ?これはこれは大悪魔、サリエル様ではないですかァ。俺としたことがお恥ずかしいところを見られてしまったですなァ!あひゃ、あひゃひゃひゃ!」

「お前...どうした?何か変なものでも」

「ええ食べましたとも、それはそれは嫌という程味わいました...絶望というものをォ!ん〜流石俺、いいことを思いついた!ん〜夢が広がるなァァァァァァ!」

「なにを...」

「あなたァ、元々気に入らなかったのですよぉ!姿は変わってもやっていることはわからないのですねェ!あなたこそォ神の第1の駒と言っても過言が!過言がないぃぃぃぃ!

と、言うわけで。死神は死神らしく、死んでいただだけないですかァァァァァ!」


大鎌を構えるサリエル。本能で、やらなければ殺されると察したである。大鎌を軽々と回しがなら、ヴァルナードに襲いかかる。が、聞きなれた声が聞こえてくる


「やめてサリエル様!もう争うのはやめて!」

「?!その声は...どこだ、どこにいる!生きて...」


「...な〜んて、私、ですよぉぉぉぉ!」

「ヴァルナード、貴様ぁぁぁ」

「はい、隙ができた〜」

「ぐっ...」


ヴァルナードはどこからともなく小型ナイフを取りだし、サリエルの目を切り裂いた


「これであなたのやっかいな邪眼も使えないでしょう〜残念無念、あの世にバイバイぃぃぃぃ」

「くそおおおお!」


ヴァルナードが小型ナイフを何本も取りだし、投擲し、足、腕に刺した。


「ぐっ...距離、方角...そっちか!」


目が見えず、足と腕にナイフが刺さっているのにも関わらず、ヴァルナードに正確に走った。

そして大鎌を、振...ろうとしたが


「サ、サリエル様!お...おまちくだ...さい」


ヴァルナードの様子が変わった。サリエルは鎌の動きを止めた


「わ...私めは...不覚にも...あやつられ...てしまっておりま…す。はぁ...はぁ...これ、以上抑えられ...ない...だ、だからサリエル様...私ごと、その、鎌で...」

「?!ヴァルナード!しっかりしろ!そんなことできるか!私は」

「...な〜んちゃって♪」

「っ...」


心臓をナイフで一刺し。サリエルは地面に倒れ込み、動かなくなった


「なんたる悲劇ィ!なんて仲間思いの悪魔なんでしょウゥゥゥ!ぎゃあははははははははははははは!計画は狂いましたがこうも上手く行くとはぁぁぁ!大悪魔、大したことないデスねぇ!

さてェ、後処理の方すませますか。サリエル...お前ェは忠実な犬だったなぁァ!死神と呼ばれようと天使のため、上司の7大天使ウリエルのため、神のため、不要な不純な天使を堕天させた。あぁ、傷ついた天使を癒す役目もありましたッケェ!悪魔になった今では不要な悪魔、敵の天使共を抹殺していった...おぉぉぉぉ!前と今は逆じゃないですかぁぁぁなんたる皮肉ゥ!まあ頑張り屋さんでしたねえ〜


ヴァルナードは遺体となったサリエルの腹を蹴り飛ばした。


「...では、人間界に、さようなら〜ぎゃあははははははははははははは次は死刑執行人とかになるのでしょうねえええ!!ぎゃあははははははははははははは


...ふう満足満足♪次は次こそはあいつを、





ルシファーを殺す。ぎゃあははははははははははははは」

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