作者の恋のとらえ方が独特。甘く優しい「恋」ではなく、衝動的で抗いがたい力としての「恋」と、それに殉じた魔導士の少女が切ない。淡々とその後の推移を語る行間に、大公が決して少女を忘れていなかったという事実が透けて見えてぎゅっと胸をつかまれる気がする。