特別遠征旅行とやらを満喫するそうです......

第1話 遠征旅行うううううううう!?



 拝啓 夏の訪れを感じ始め天使の羽に温かさを感じ始めた今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。


 皆さまの活躍は私も耳にしております。私は、以前から、皆さまの前から突然走り去ったことに対して、深く謝罪を申したいと思っている所存でありまして、決して、忘れていたわけではなく、度重なる事件によるわけでありまして、決して冒険者なんか辞めるなどだという発言は私の本心では無かったという事をここに記しておきたい所存であります。ええ、はい。


 近いうちに、ご自宅、ええ、私のでもあるご自宅を伺いたいと思います。


 私のことは今もパーティーメンバーという認識であることを心より願っております。 敬具





「よし、こんな感じでいいか」

「いや、良く無いでしょ!!」


俺は、リズの一言を聞いた後、急いでアリス達宛の手紙を書いていたのだが......


「なんだよ、シェリー。この完璧な手紙に何か文句でもあるのか?」

「いや、最初の方はまだしも、途中から皮肉みたいなこと書き出してんじゃん。さすがのあたしでも、あんちゃんが不服な気分になってきた事だけはわかるよ」


俺の手紙を書く音で起きたのか、横からシェリーがケチをつけてきた。


まあ、何も言わずに勝手に逃げたことは事実だし、謝るのはいいんだけどさ......


いや、まてよ、今までの俺はこうだったか?もっとやりたいことをやりたいようにやっていたんじゃないか?そうだよ!!いつから俺はこんなにも丸くなったんだ!!というより、俺がいなくちゃ、誰があいつらをまとめるんだよ!!そうだよ!!俺は悪くない!!


「俺は悪くないんだああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

「ちょっ!!急にどうしたの!!ってあああああああああああああああああああああああああああ!!」


俺はそう叫ぶと同時に、書きかけの手紙をビリビリに破いた。


「どうしてこんなことしたの!!せっかくいいところまでは書いていたのに!!」

「しるか。俺は悪くないってことに気づいただけだ」


俺たちが、ギャイギャイ言い合っていると、


「僕たちって一応、ここに隠れているんだよね」


ポツンとそう聞こえた。





その後、俺は家に戻ることにして、リズとシェリーのと別れた。


俺が、帰りに冒険者組合に寄って帰ると、確かにそれらしき張り紙が貼られてあった。


「しかし、遠征旅行か。そういえば、俺って修学旅行ではどこに行ったかな?」


思えば、この世界に来て、ほかの街へ行ったことなんて一回もないしな。ちょっとだけ楽しみだ。


俺は、去り際に、『盗賊の目撃情報求む!!』という、張り紙から目をそらして家へ向かった。


家へ向かう途中、俺はシェリーに何か買って帰れという指示があったので、とりあえず、大きなホールケーキを買って帰ることにした。


この世界にケーキなんてものがあることに驚いたが、まあ、西洋風な世界だからという理由で納得することにした。


店の人が、泡立て器的なものをガンガン使っていたのには目を疑うものがあったが......。


そういえば、ケーキを買うときに店の人が、こっちを疑うような目で見て来たんだが......まあ、多分思ったよりも俺が金を持っていたことに驚いただけだろ。


それに、ケーキの値段もそこそこ高かったしな。


まあ、これくらいしておけば、あいつらも許してくれるだろ。


そんなことを思いながら、俺は家に向かうのであった。





その後も歩き続け、ようやく家の前まで来たんだが......


「まてよ、今更だが、どんな感じではいればいいんだ?」


反省しているよう?申し訳なさそうにしているよう?いや!!今までの俺はそんなやつだったか?もっとやりたいことをすると決めただろ!!


俺は、ドスドストと音を鳴らしながら玄関の扉まで歩き、勢いよくその扉を開け、


「ただいま!!お前ら、ケーキがって来たぞ!!」


そう言って俺が部屋を見回すと、アリスとメディーの他にラーシもいた。


3人とも、床に座って冒険者端末を見ていたようだ。


3人が同時にこっちを、というより俺の手元にあるケーキを見て、固まっている。


そんななかアリスだけがプルプルと立ち上がり、


「なんてことをしてくれたんですかああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」


アリスの怒声が家中を響き渡った!!









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ロリっ子パーティーのクズぼうけんしゃ? 〜俺の想像してた異世界ライフとちがあああああああああう‼︎〜 葉月治 @hazukiosamu

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