第18話バレちまってええええええええ!?
目が覚めると、俺の目の前にはリズのくりくりっとした目があった。
「おっと、起きてしまったかな?」
あれ?もしかして眠ってしまってたのか?
俺は口元の涎を拭き、顔を上げた。俺の前にはまだ、眠っているシェリーの姿がある。
シェリーは、『むにゃむにゃ』と寝言を言ってまだ寝ている。....むにゃむにゃとか言う寝言を言うやつ初めて見たな。
段々と俺の意識も覚醒してきたな。って、それやりも!!
「さっきは何しようとしてたんだよ!!」
そういえば、俺はクッキーみたいなお菓子を食べた後、なんだか眠くなってきて.......
っていうか、あんな急に眠くなるなんて、まるで、あのお菓子になんか入ってたんじゃないかってほどだったけど........
「って、絶対お前あの菓子になんかいれただろ!!」
「まあ、確かにそうだけど........ゴメンね。でも、聞きたかったことは聞けたしいいかな。ね?悪い盗賊のお兄さん?」
「え?ええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
なんでこいつ知ってんだ!?俺達が話してたのが聞こえてたのか!?
俺が内心どころか、表情に出るくらい驚いていると、リズがシェリーの耳元に顔を近づけて、
「ねえ?そうなんでしょ?二人は盗賊さんなんだよね?」
「むにゃむにゃ、そうだよぉ~。あたし達は盗賊だよぉ」
なんか、むにゃむにゃ言いながら、自分のことを盗賊だってバラシてるyoun......
「って、お前何してんだよ!!ってかどうやったんだよ!!ってか、俺にもやらせろよ!!」
「お兄さんは、これを自分もやられてたかもしれないってことを最初に心配しないのかい?」
た、確かにそうだな....。それ以上に、俺もやってみたいという気しかしなかったなあ。
そんなことをされてるとは、知らないシェリーの顔はとても幸せそうな顔をしているように見える。
リズは俺を見て、クスッと笑いながら俺の肩をツンツンとつついてきた。
「お兄さん、いいの?今なら、いろんないたずらが出来ちゃうかもよ?」
「俺をなんだと思ってんだ。何回目かわからねえが、俺は断じてロリコンじゃねえからな。眠ってるガキに手を出すとか、完っ全に逮捕案件じゃねえか」
リズは思った反応と違ったのか、むすっとして、ほほを膨らませている。
毎回思うんだが、俺のどこにロリコンの要素があるんだ。
ただ、まあ、いたずらっていうか、えっちぃ事はしてみようかなとは思わなくもなかったような気がしなくもないが、それよりも、これをアリスやメディやラーシにしてみたいなとは思ったが。
リズはシェリーの髪をなでながら、少し残念そうにため息をついた。
シェリーを見る目が少し、いや、かなり熱っぽかったような気がしたが....だ、大丈夫だよな....?
リズは、さっきと同じように、シェリーの耳元に顔を近づけて、
「そろそろ、起きないといたずらしちゃうよ?」
そう、耳元で呟くと、シェリーは一瞬ビクッと震えたかと思うと、目をバッと開き、飛び起きた。
「な、なんか変な夢を見たな......。っていうか、あたし寝てたの!!」
俺とはだいぶ置き方が違うな....。というか、俺もあんなことを耳元でささやかれたのか?
俺はリズをちょいちょいっと呼び、
「な、なあ?俺にもあんな感じのことをしたのか?」
「いや、お兄さんには何もしてないけど........。普通は、僕が起きるように言わないと、めったに起きることはないのに....お兄さんは何であんなに起きるのが早かったんだろ?」
今更ながらかもしれないが、俺は人の期待を裏切るのが得意なのかもしれないな。
そんな俺がそんなこと考えているのを完全に無視し、あたふたしているシェリーの姿をリズは、愛らしい動物を眺めるような眼でじっと見ていた。
........こいつは百合属性でも持ってるのだろうか?
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