第12話侵入開始いいいいいいいい!?part4


 目の前には楽園が広がっていた。


 突然だが、この言葉を目にしたとき、今見ている君は、どんな光景を想像しただろうか。


 金銀財宝が山のように積み重なっている光景か、はたまた、美人なお姉さんがたくさんいるような光景か。


 それは人それぞれ違うであろう。それが当たり前であり、正しいのだ。


 だが、先に予告しておこう。今、俺が見ている光景は、決して楽園ではないと。


 もう一度繰り返す。


「な、なんだこれ....!?」

「あ、あんちゃん....」


 俺達は驚きを隠すことができなかった。


 シェリーも俺の名前を呼び間違えるほど動揺している。


 これは現実なのだろうか。


 俺は、俺達は信じられない光景を見た。

 ☆


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 おっさんが裸で、本物そっくりに作り込まれた女の人形の前で世にも奇妙なポーズ(あなたが想像する最も奇妙なポーズでokです)を取っている。


 ちなみに、俺らからはおっさんの尻しか見えないし、おっさんの体型はなんの魅力もないただのデブだ。


 俺達が絶句してしまうのも無理はないだろう?


 おっさんがさびたロボットのようにゆっくりと後ろを向いた。もちろん首だけだが。


「ぬ、主らここで何を......?」

「それはこっちのセリフだ!!」


 ちなみにシェリーは顔を覆ってうずくまっている。かわいそうに......


 おっさんがようやく今の状況を理解したのか、自分の体を必死に隠しながら、ギャアギャと叫びだした。


「主らは何者だ!!ここは、我の屋敷であるぞ!!いったいここで何をしている!!」

「いや、あんたがアンデルセン公爵ってのは薄々わかっていたんだが......さすがに自分の家だからってハッスルしすぎじゃね?あと、その趣味はさすがに俺でも理解できねえ」

「そ、そんなことはどうでも良いのだ!!」


 ちなみに、シェリーは床に膝をついてうずくまっている。かわいそうに......


 だが、アンデルセン公爵は急に得意げな顔になり、俺達が下りてきた階段の方を指さした。


「主らはバカではないか?ここをどこだと思っておる。ここは我が屋敷であるぞ。この部屋から出られるのはあそこ以外はない。さて、おとなしく捕まるのだ」

「いや、お前こそ脳みそ腐ってんの?今の状況を理解出来てんのか?もしここで他の人を呼んだりなんかしたら、今のお前の姿が駆け付けた全員に見られるんだぞ。俺も鬼じゃねえから、さすがにその姿を大勢の人に見せようとは思わねえけど、他の奴らは知らねえからな」


 その瞬間、アンデルセン公爵の全ての動きが完全に止まった。


 そりゃあそうだろう。今の姿を誰からに見られたら本当に人生が詰むもんな。まあ、俺達が見てしまってんだけど。


 ちなみに、シェリーは耳も塞いで床にうずくまっている。かわいそうに......


 どうすっかなあ。でも、このままじゃあ、確かに俺達も詰みだしなあ。


「そうだなあ....なあ、おっさん。俺達と取引しないか?」


 俺はアンデルセン公爵に向かって両方に得のある最高の提案をすることにした。




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