第11話侵入開始いいいいいいいい!?part3

 

「気をつけろ!!もうすぐそばにいる可能性があるぞ!!」


 外から野太い男の声が聞こえる。さっきの言い争いで怪しまれたのもあるのか、外では、かなり厳重体勢を取っているようだ。幸か不幸か外に人を集められているおかげで、屋敷の中はそこまで警戒されているような感じはしない。


 俺達は今、スキルを駆使しながら物陰に隠れながら、屋敷を回りお目当てのものを探していた。


 シェリーがまたもや、俺を異生物でも見るような眼で俺を見てきた。

 なんだか、俺のボキャブラリーが増えてきたな。


「あん....ワソトン君はなんでそんなことが出来るの?普通隠密化の効果はアイテムや物には付与できないはずなのに....」

「俺の数少ない才能さ、姉貴。姉貴もいいとこ見せてくださいよ」


 おっと、かなりご立腹のようですね。軽く煽ってやっただけなのに....こういうところというか、俺が出会ったロリっ子のなかで一番発達しているくせに、こいつが一番子供っぽいかもしれねえな。


 シェリーは、さっきの言葉が頭から離れないのか、ぷりぷり起こった様子で、物陰から周りを見ていた。


 そして、人の気配が全くないことを確認すると、小声で何か言いだした。


「あたしもやるときはやるんだからね。オリジナルスキル発動!!暗殺者の忍び寄り《アサシンウォーク》!!」


 そう言うと、一瞬だけ俺とシェリーの体が赤紫色に光ったかと思うと、体が軽くなった。たぶんだが、自分だけじゃなく俺にもそのスキルを発動させたのだろう。


「このスキルは、あたしだけのオリジナルスキルで、普通の防音魔法よりも範囲は狭いけど完璧に防音が出来て、なおかつ走りながらも使えるんだ」


 なかなか、盗賊向きのいいスキルじゃないか。そういえば、どっかでオリジナルスキルがあるとか言っていたな。全く覚えてねえや。


 俺達は全面じゅうたんがひかれた廊下を全速力で駆け抜ける。

 こんな風に走っても、全く誰に麻築かれる気配がしないのが恐ろしいな。


 ......これを使えば夜這いも簡単なんじゃないか?


 さすがに犯罪に手を染める気はないが、


 俺の頭の片隅で、アリスが今の自分の姿を見て見ろとギャアギャわめいてるような気がするが気のせいだろ。


 おっと、前から人の気配がするな。


 俺達はすぐ近くの棚の裏に隠れた。


 前から歩いてくる2人の男たちの声が聞こえる。


「そういえば、アンデルセンさんが言ってたものって何だったんだ?」

「たしか......なかなか入手できないレアものらしいぞ。なんでも、まだ未開発のとても貴重な物らしいのは確かなんだが......。そういえば、レアと言えば、冒険者の間でロリっ子ばっかりを連れた真のロリコンが魔王軍の手先を撃tai....」


 俺はそれ以上言わせまいと、後ろからボーションをぶっかけた!!


「特性C10H12N2Oセロトニンポーション!!」

「な、なんda......」


 そう言い残すと、2人の男(見回りに来ていた兵士だろう)は、その場に倒れた。


 寝息が聞こえてくるので、このポーションの効果どおり、ぐっすり眠っているだけだろう。

 みなさんは、用法・用量をきちんと守って使用するようにしましょう。


 そんなことはさておき、驚いたシェリーが後ろから飛び出してきた。


「ちょっと!!そんな危険なことしなくても、やり過ごせたのに!!なんでそんなことしたの!!」

「なあに、俺のアイテムが役に立つと思っただけさ」


 その先の言葉を聞いてしまったときの、シェリーの顔は簡単に想像できるからな。


 そんなことを思いながら、俺は自分の風呂敷の中からあるアイテムを取り出した。

 俺がこんなでかい風呂敷を持ってきたのは、何もお宝をたくさん入れるためだけってわけじゃない。


 俺は取り出したアイテム(ポーション?)をセンパイっぽい男の方にかけた。


 するち、男はむにゃむにゃと、気持ちよさそうな寝顔になり始めた。


 すかさず俺は、男の耳元に向けてこうささやいた。


「色っぽい女性に酒場で自分の知っているお宝の隠されている場所を自慢するシチュで」


 俺の言葉が届いたのか、男は気持ちよさそうな顔から、鼻の下を伸ばし、下品な笑みを浮かべた。


「でゅへええ、宝の隠し場所ってのは、1階に飾られてある絵の裏にあって、そこにある一つだけ色の違う場所を押すと、後ろの壁に地下への階段が出現するってわけだ。....ところで姉ちゃん、俺と2人で今夜大人になranai....」


 そこまで聞いて、危険なことを言いそうになったので口を布で塞いでしまう。


 この作品は、過激な描写は控えさせていただいております。そのような描写の作品がお望みであれば、他のサイトを閲覧することを強く推奨させていただきます。


 俺は男を近くの部屋にあったクローゼットの中に二人を隠した。


 ....女性用の下着ばかりはいっていたのは見なかったことにしよう。


 俺達は急ぎつつ、見つからないように一階にある絵の場所まで移動することにした。


 移動中、シェリーは俺にさっきのアイテムのことについて鼻息荒く質問してきた。


「どこにあんなもの売ってんの!!あたしに、紹介してよ!!」

「今度教えてやんよ....と言いたいところだが、あれは女子禁止の品でな」


 そんなどうでもよいことを話しながら、俺達は絵の前まで来た。


 シェリーが江之浦を確認すると、確かに一か所だけ、色が黒くなっていた。


 そこを押し込むと、後ろから静かな音で壁が後ろにずれ、そして横にピタッと張り付いた。


 一応防音アイテムを仕掛けていたのだが、必要なかったな。


 俺達は、中に入り、壁のあった場所には、色彩を再現した布で、カムフラージュしておいた。


 暗い階段を降りると、奥に部屋があるのが見えてきた。


 満を持して、部屋の中を覗いてみると、


「な、なんだこれ......!?」


 そこには楽園が広がっていた。



 *

 *





 追記


 屋敷に侵入編が長くなってすいません💦

 次の話で、一旦区切りますのでもう少しだけお付き合いください💦



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