第9話侵入開始いいいいいいいい!?part1


 俺とシェリーは今回の目標であるアンデルセン公爵の別邸に来ていた。


 ついに、俺の初仕事が始まるのか!!金目のものは全部盗んでやるぜ!!


「なんだか、欲望に満ちた犬のような顔をしてるけど、非合法的な手段で手に入れたもの以外は盗ったりしないから。ダメだよ!!絶対だよ!!」

「分かってるよ。任せとけ!!そのために今日は巨大な風呂敷を持ってきたんだからな」

「あんちゃん!!それ、絶対わかってないよ!!」


 大丈夫だって、安心しろよ。俺が何も考えてないとでも思ってんのか?


 俺達は今、アンデルセン公爵の別邸の裏にある木々に隠れている。


 アンデルセン公爵と言えば、権力は中の上といったところで、この国に本邸があるのではなく、普段はこの屋敷にはいないが、非合法的な手段で手に入れたものをこの館に持って来るときだけこの館に泊まるようにしているのだ。

 まあ、俺はその話を聞いただけなんだけど....


 俺とシェリーは二人して円陣を組んでもう一度作戦会議を始めた。


 侵入するときは、不測の事態に陥ることなどざらにあるそうなので、こうやって何度も確認するそうだ。


 そういえば、魔王軍討伐の時もこんなことしたな......


 シェリーが懐からか最初の作戦会議の時に書いていた地図やいろいろなリストの書かれた紙を取り出して、地面に置いた。


 そして、俺はその中でも一番気になったことをシェリーに尋ねることにした。


「なあ、お前どこからその紙を出したの?お前の自分の胸の中に挟んでたの?そりゃあさ、お前子供にしては胸ある方だと思うよ。俺の知ってるロリっ子はマジでみんなまな板だからさあ。お前、将来ボインボインの女盗賊になりそうだから、俺は楽しみにしてるぞ。どうしたんだよ?顔真っ赤にしてうつむいてよ?」


 そんな感じで冗談のつもりでからかってやると、懐から出す自分はかっこいいとでも思っていたのか、シェリーは顔を真っ赤にして手で顔を覆っている。


 ......楽しみにしているところだけはマジだけど。


 少しの間ずっとその体勢だったが、ようやく立ち直ったのか、深呼吸一つして、俺の顔を見てきた。


 耳がまだ赤いのは言わないでおいてやろう。


「いい?今回あたしが調べた限りでは、見張り兵士だけではなく、冒険者も雇っているそうだから注意して。でも、中に侵入さえできればスキルで何とかなると思う。だから、まずはバレずに侵入することを考えて。中に入ったら臨機応変に対応すること」

「オッケー分かった。あと、もう一つ。呼び方はどうすんだ?名前で呼んでもいいのか?」


 シェリーはう~んと考えた後俺に提案してきた。


「そうだね。あたしがアルセーネ。あんちゃんはワソトンでいいかな?昔、あたし達の先祖がそんな名前だった気がするんだ」

「まあ、いいが....」


 その名前どっちも似たような名前を聞いたことがあるな。ワトソンさんは盗む側だったかな?後で、モリ●ーティ教授なんか出てこないかな?


 そんなことよりも、ついに始まるのだ!!


 これから侵入開始だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



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