第8話玄関前でええええええええ!?


 俺はシェリーと打ち合わせを終え、上機嫌で家に帰っていた。

 俺は勢いよく玄関のドアを開け、


「ただいマンモスっと..ってなんだよ」


 3人のロりっ子に睨まれていた。


 俺は少し戸惑ってしまったので、少しおちゃらけてみた。


「おいどういうことだよ。3人してお出迎えなんて。あれか?俺にご奉仕しようとしてんのか?」


 その言葉に、ラーシだけ顔を後ろに背け、すぐに真面目な顔をしてこっちを見てきた。....耳がまだ赤いのは黙っといてやろう。


 そんなことを考えていると、ラーシが口を開いた。


「どこに行ってたんだ?もう、依頼の説明はもう私達だけで聞いてきたぞ」

「いや、お前まだ耳真っ赤だぞ。なに、真面目な顔してんの。お前、何想像したんだよ」


 ラーシの顔が一瞬で真っ赤になってしまい、その場でうずくまってしまった。


 ついさっき黙っといてやろうなんて考えていたが、こいつを見るとおちょくってやりたくなるな。


 すると、今度はメディーが口を開いた。


「我も話を長々と聞くだけの退屈な午前でしたよぉ。ダイキだけあまりにもずるいですよぉ」


 そう言って、ぷんぷん怒っていたが俺には秘策がある。


「そういえば、お前が喜びそうな店を見つけたんだよ。お前が好きそうなポーションみたいな物を取り扱っている店がな。今度そこに案内してやるよ」


 そう言うと、メディーは目をキラキラと輝かせ、俺に詰め寄ってきた。


「しょ、しょうがないですねぇ。午前のことは許してあげましょぉ」


 そう言って、笑顔で自室に戻って行った。


 こいつはポーション関係になると途端にアホの子になるな。

 悪い奴に騙されないかほんとに心配だな。


 そんなことよりも、最後まで残ったのはアリスか。どうやって、ごまかしてやろうかな。こいつは怒ると天使ということ忘れるくらい怖いからな。


 そんなことを考えていると、『はあ....』とため息をつく声が聞こえた。

 どうやら、アリスがついたようだ。


 そして、俺にジト目を向けて、


「なんだか、2人を見ていると怒る気もうせてきました....。もう、いいです。だいきのすきにすればいいと思います。....でも、冒険者はやめないでくださいね」


 そう言って、アリスも自室に戻って行った。

 後に残ったのは、俺とラーシだけになってしまった。


 なんなんだよ。最後の言い方は....


 俺も、自分がどうしたいか訳が分からなくなってしまった。


「まあ、いいか。今日はミッションのことに集中だ!!」


 とりあえずは、そう思って忘れることにした。



 *

 *



 まあ、そんなこんなで、結構の日、3人は護衛の依頼だと言って、夜遅くのも関わらず出かけてしまった。


 ロリっ子が夜道を歩いても大丈夫か?そう思い、アリスに尋ねたのだが......


「何言っているんですか。心配性ですか」


 そう、辛辣に返されてしまった。

 なんだか、この言い方も以前聞いたことがある気がするんだが.....


 まあ、家に誰もいないのは好都合だ。


 俺はアリスが初めてくれたあの鎧を着ていこうとしたが、あまりにもSFチックすぎて目立つし、身元もバレるかもしれないと思い、今日は封印することにした。


 代わりに、全身を黒い全身タイツのようなもので覆い、顔にはなんでこんなものが売ってあるのかは知らないが、緑色の風呂敷のような物の中に様々なアイテムを入れ、顔にはさっきの風呂敷よりも柄が少ない、濃い緑の風呂敷のような物で顔を隠した。


「さて、行くか!!」


 俺は気合を入れて、家を飛び出した。


 その後、シェリーがものすごい顔で、こっちを凝視して、俺になんでそんな恰好で来たのかを問いただされるのは言うまでもない....らしい?


 盗みの格好と言えば、日本人ならこれだと思ったんだが....



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る