第6話ロリっ子盗賊うううううううう!?


 そう、あれは俺がホクホク顔でスキップしながら路地裏を通っていた時、


「ルンルンルーン♪っと、ん?なんだこれ?」


 俺の罠感知スキルが発動して、路地裏の壁に違和感を感じた。

 なんか、ここの壁だけへこんでいる気が....

 そう、思って壁のへこみを思いっきり押し込むと、


「なんだこれ!!」


 壁が後ろに下がって、人ひとり分位のスペースだけ開き、その奥に通路が出現した。


 すげーな!!これ!!本当にこんなからくりが存在するなんてなあ!!


 俺は興味本位で何の疑いもせず、ずかずかと奥に進んでいった。


 通路は怪しく光る苔だけが光を放ち壁は意外にも最近修理でもされたのか、きれいにされていた。


 そのまま俺が歩き続けていると、奥に人の気配がしたような気がした。


 こんなとこに人が住んでんのか?まあ、一応....


「隠密化上昇....」


 とりあえずスキルを発動させておく。これでたぶん大丈夫だろ。


 俺はそろりそろりと忍び足で進み、ついに小部屋のようなスペースが見えてきた。


 俺は、こっそり中を覗き込むと....


「え~と、今回の侵入経路はっと....」


 小さな女の子が怪しげなことを一人でぶつぶつ呟きながら紙に何か書き込んでいた。


 女の子の見た目は、ショートカットのブロンドヘアーで服装は、足が完全に露出しているホットパンツのような超短めの短パンに、右足だけの黒ニーソが幼さが残る白くか細い太ももを優しく包み込んでおり、左足は包帯のような白い布でそのしなやかな太ももを覆っていて、幼いため胸は相変わらずあまり成長してないがそれでも確かに膨らみはあり、その胸を覆っている黒い皮で出来た布切れだけ上にまとっているだけという、軽装で立っている。


 俺はその女の子の後ろにこっそり忍び寄ると....


「確保おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「な、なんだ!!」


 俺は後ろからその女の子を抱え上げた。


「な、なんだよ!!あたしを降ろせよ!!」

「その前に一つ聞かせてくれ」


 俺は今一番絶対聞かないといけないとても重要なことを聞いた。


「お前ってさ、もしかして本職の盗賊なのか!!スゲーええええええええええええええええええ!!カッケーええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「なんだよ!!早く降ろせって!!」


 そう言うと、俺の拘束をするりと抜け出し俺の前に立った。

 女の子はプンプンと怒った様子で、


「おい、そこのあんちゃん!!どっから入ってきたんだよ!!ここわかんないようにしたつもりだったのに!!」

「いや、まあ俺も冒険者としての盗賊だからな。これくらい見破るさ」


 たまたま押したら作動しましたなんて、恥ずかしくて言えるわけもねえ。


 女の子は焦った様子で、こっちをチラチラ見てきた。


「も、もしかして、あたしを売る気か!!」


 そんな売るとか言うなよ。今の俺はあっちのほうのことしか浮かばねえんだからよ。


 俺は『ちげえよ』と言いながら女の子の頭を撫でた。


「そんなことするわけねえだろ。それよりもさっきの侵入経路って何のことなんだ?....で、できれば俺にも詳しく!!」


 そう。俺はこういう盗賊っぽいことには昔から憧れがあったのだ。だから今の盗賊の職業は嫌いじゃねえんだが、....冒険者としての仕事はこの前の魔王軍との戦いでなんだかやり切った感がすごくてな。


 そのことを話すと、女の子はこっちを品定めするような眼で俺を見てきて、


「あんちゃん、盗賊に興味あんのか?でもなあ....」


 そんなことをつぶやいていたので、ちょっと脅しをかけることにした。


「入れてくれないのならこのことバラすぞ」

「や、やめろよ、あんちゃん!!分かった、分かったって!!でも、このことは絶対に誰にも言わないでくれよ。身内にもだぞ!!」

「もちろん!!任せとけ!!」



 *

 *



 とまあ、こんなことがあったわけだ。

 だから俺は依頼を放り出したのだ。


 そして今俺は、あの路地裏の前に来ている。そうついに叶うのだ。今まで俺が妄想でしか成し遂げられなかった夢が。


「今日から俺は盗賊だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「あんちゃん!!大声でそんなこと叫ばないでよ!!」


 いつのまにか後ろにいた盗賊の女の子、シェリーが俺に向かって文句を言ってきた。



 *

 *

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