第12話祝杯いいいいいいいい!?


「パーティーメンバーの加入に!!」

「「「カンパイ!!」」」


 俺達は酒場で祝杯をあげていた。俺とアリスは初めてのアルコール入りのジュースに興味津々だ。メディーとラーシは普通にジュースを飲んでいる。


「お、おい。ダイキはわかるが、アリスは法律違反だぞ」

「安心しろ。アリスはお前たちと違って子供じゃない」


 そういえば、アリスも何歳か知らないな。あとで聞いてみるか。


「だいき!!だいき!!お酒ですよ!!天界にはお酒なんてなかったもので!!とても楽しみですよ!!」

「俺だって初めてだ!!それじゃあさっそく....」

「「いっただっきまーす!!」」


 二人で同時に酒を流し込んだのだが....


「おえ。苦くねえか。全然飲める気がしねえ。おい、アリスは....」


 アリスは一杯目のジョッキを一口で飲み干していた。

 なんというか、客観的に見たらこの絵はちょっとまずいな。少女が酒を一気飲みとか通報案件だろ。周りの客もドン引きの目でこっち見てるし....。


「お酒いいですね。だいきも飲まないのならください」

「お、おう」


 そう言って酒を渡すと上機嫌になって酒を飲みだした。大丈夫か?なんだか、顔も赤い気がするし....


 おっと、そういえば、


「おい、メディーも食べてるか?」

「そうですねぇ。ここで食べておかないと、後で大変なことになる予感がするのを私の脳が訴えておりますのでねぇ」


 なんだ?大変なことになる予感って?まあいいか。



 *

 *



「もっとお、お酒をもってきてください~」

「バカか。お前どんだけ飲んでんだ!!」


 こいつは、あの後から完全に出来上がって今では歯止めがきかない状態になってしまっている。


 ちなみに、ラーシはもう夜遅いので帰っている。さすがに送って行こうかと思っていたのだが....


「大丈夫だ。私はこれでも剣士なのだからな」


 そう言って一人で帰ってしまった。

 まあ、たぶん大丈夫だと思うが。


「メディー!!アリスを押さえといてくれ!!おーい!!会計だ会計!!いくらだ?」


 そういうと近くのウエイトレスが寄ってきて....笑顔で値段を告げてきた。


「はい。合計で10万スターです」

「は?」


 今、10万って....今回の報酬が20万で4人で山分けしたら一人5万で....この場には15万しかなくて宿で一人一万近く必要だから....


「この馬鹿があああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 やっぱこいつぽんこつじゃねえか。



 *

 *



 2人を連れて宿屋に向かっていると、なんだか見たことのあるような青い服を着たお兄さんが立っていた。


「そこの君。その女の子から酒の匂いがするんだが....ちょっと署まできてくれないかn」


 俺は一目散に駆け出した!!


 ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!


 まったく、なんで俺がこんな目に合わなきゃならねんだよ!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る