131話  やってやんよ!!



ゼニス「話も纏ったようじゃから

     直人には地獄をみて貰おうかの」



直人「なんでだよ!?」



ゼニスの突然の地獄発言に初対面にも関わらず全力でツッコム直人。


ゼニス「ほぉ?嫌かのう?」


直人「嫌に決まってるでしょうが!

   やったー!

   って喜ぶとでも思ったんスか!?」


ゼニスに対しイマイチ言葉使いが定まらない直人


ゼニス「しかしのう、、そうすると

    リズ様にお頼みするしかないのう」


直人「リズ様?ってそれより

   どうゆう事っスか!

   リズに頼んだらダメだって今さっき

   話してたばっかりじゃないっスか!

   認知症なんですか!?

   大丈夫ですか!?」


ゼニス「大丈夫じゃわい

    失礼な奴じゃのう、、

    認知症がなんなのか知らんが、、

    そうでは無い」


直人「じゃぁ、どういう事なんスか?」



シュナ「それは僕が説明するよ!」


両手を上げながらゼニスと直人の間に割って入ってきたシュナ。



直人「おわ、、ならシュナ地獄ってのは?」


突然割って入ったシュナに驚きつつ、少し後ろに下がりながら問いかける直人


シュナ「地獄ってのはね、

    辛い修行の事なんだよ

    だから

    

   【辛い修行をして貰う】

        ↓

    【地獄ををみて貰おう】

    

     ってなるんだよ!」



直人「分かりにくいわ!

 んじゃ、さっきのリズに頼むってのは?」


シュナ「それはね

    

    【リズに頼む】

       ↓

 【事情話して一緒に修行して貰う?】

    

     って事になるんだよ!」  



直人「それは絶対分からない!

   ゼニ爺さんは鍛え過ぎて

   アホの子なんですか!?」


最初の威厳あるイメージから武術馬鹿のレッテルを貼り遠慮がなくなった直人。


ゼニス「アホとはなんじゃ、アホとは

    まぁ、多少分かりにくい

    言い方じゃったかのう」


惚けたように誤魔化すゼニス実はこれも場を和ます策である。


直人「多少じゃないし!

   ってもう、それはいいけど

   修行って事は【気殺術】に

   対抗出来るようになる手段が

   あるって事なの?」


シュナ「ボス戦で上手く行かなかったからね

    そっちで上手く行けば

  直人も僕らも苦労しなかったんだけどね

    意識体の今だと

    直人がキツイ思いをする割に

    キッカケ作れるかどうか?って

    所だから

    微妙なんだよねぇ

    生死には関わらない分安全だけど」


困った顔で話すシュナ、ゼニスも頷く


直人「実際やってみないと分からないけど

 でも、もうそれしか方法ないんだろ?」 



シュナ「そうだね

    1番辛くて

    1番安全で

    1番確実な方法だよ

    ただ、本当にキツイよ?」


心配そうな顔で再度直人に問いかけるシュナ。


直人 「安全なんだろ?

    辛いのは嫌だけど

    リズを盾にするより

    何万倍もマシだわ!」


真剣な眼差しで言い放つ直人。



シュナとゼニスは目線を合わせて同時に頷き直人の覚悟を互いに共有した。


シュナ「分かったよ

    とりあえず、

    この場所じゃ狭いからね

    違う場所でやるよ」


パチンッ


そう言いながら指を鳴らすと、古ぼけた室内から

何処かの武道場の場内に変わった。


シュナ「さてと

    ここなら修行って雰囲気だし

    視覚からの情報も結構大事

    だからね

    まずはホイッと」


シュナが軽く直人に向かって手を振ると


直人「うわっ!?なっ、なんだ!?」


床から30㎝程浮いた白い半透明な球体の中に閉じ込められた。


シュナ「大丈夫、大丈夫!

    その中に居ればどんなに暴れても

    平気だから安心してよ」


直人「めちゃくちゃ

   不安になって来た所だよ、、」


シュナ「それじゃ、早速始める訳だけど

    今からやるのは

    ボスモンスターとリンクしてる

    ゼニスが直人に向かって

    【気殺術】を放って行くんだけど

    徐々に威力を上げて行くから

    直人は【気殺術】の本質を

    見極めるよう頑張ってみて

   防いだり、反射させたり、逸らしたり

    やり方や結果は直人が【気殺術】

    にどう向かい合うかで

    決まると思うから

    だからね

    何でも良いから最後まで

    諦めないで立ち向かって欲しい」



直人「なるほど、でも【気殺術】は

   やり過ぎると

   ヤバイんじゃ無かったのか?」


無重力の中にいるような感覚に戸惑いながら聞く直人。



シュナ「その為の今いる球体の中だよ

    直人の状況に合わせて僕が

    回復させるから

    安心してよ!」


腰に手を当て胸を張りながら

ドヤ顔するシュナ



直人「、、、、了解」(不安しかねぇ)


ゼニス「シュナイダー様そろそろ、、」



シュナ「ああ、そうだね、あんまり長居

    も出来ないからね

    それじゃぁ、直人

    もう一度確認するけど

    覚悟は良いかい?」


先程とは打って変わって真剣な眼差しで直人に問いかけるシュナ。


直人 「ああ!

   大丈夫とは言い切れないけど!

    やるだけやってみるよ!」


不安はあるが後悔は無い

最善を尽くす

そんな意気込みで答えた直人。

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