107話 異世界に来たらこれでしょ?

全ての特攻部隊という名の巨大猪の群れを討伐した直人は、自分の両手を握っては開くのを繰り返し、先程の感覚を反復していた。


シュワン、、周りにモンスターが居ないのでリズがルームから出て来る。


リズ「お疲れ様です!マスター!

(凄い、、独学で魔力を放出するなんて!)

   親衛隊はここより

   2キロ先から動かない様なので

  モンスターを回収後に向かいましょう」


直人「ん?あ、ああ、、そうだな、、、

  (これ全部収納するのめんどくせぇ)」


リズがルームから出て来た事に気づき

回収する事を思い出して周辺を見渡すと

溜め息を吐く


直人「こりゃぁ、酷い」


最後の方はまだマシだが、殆ど原型を留めていないな骸が多い為、どこまでの残骸を収納するかをリズに聞きながら回収して回った。


戦闘自体は125体討伐にも関わらず数分と掛かってないが


回収作業は1時間掛かってしまった。


直人「モンスターの死骸は

 血が無いからグロく無いのが救いだよな

  コレが生き物だったら流石に

  気が滅入ってた気がするわ

 まぁ、バラバラの物体回収も違う意味で

  しんどい作業だったけど」


粗方収納し、リズからもう大丈夫ですとお許しが出たのでホッとしながらそんな事を言った。



リズ「そうですね、、、

 基本的には、このダンジョンの様に人や

  動物と違い血は流れませんが

神が管理していない場所、、例えば国と国を

 繋ぐ道や森、山などには野良モンスターが

 存在し、動物と繁殖する事で新種の

 モンスターになって住み着いてる

モンスターも居るので、全てのモンスター

共通とは言えませんが、今は血の事は

 考え無くても大丈夫だと思います」


直人「へぇぇ、野良モンスターねぇ

   なんか面白そうだな!

   ダンジョンモンスターは

 仲間に出来ないけど野良モンスターなら

  可能性あるんじゃないか?」


友達モンスターをまた諦めてない少年の心を持ったオッサンが1人ここに居た。


リズ「どうでしょうか?

  不可能では無いと思いますが、、

 モンスターはモンスターですし、、

  それより、次はRANK4ですので

  少し休憩した後親衛隊の居る

  場所まで行きましょう」




直人「ん?あぁ、そうだな!

   疲れてないけど

  ちょっと考えたい事あるし

     休憩しますかね」


シュキンッ、ジュボッ、、

      すぅぅぅ、ふぅぅ、、、


その場で腰を下ろして

ラグジュアリースモークを吸う


2キロ先からはコチラを捕捉し、静かな闘志と殺気を膨らませているモンスターをチラッと見た後、先程の感覚を思い出す。


直人(アイツ等は動きそうに無いから

   今のウチにえ〜と、、

   ちょっとさっきの感覚は、、

   こうやって、、こう

  おっ?いい感じだ、出力、範囲、厚み、

 あっ、そうか、拳でやるより指先でやった

      方がやり易いな、、こうか?)


ヒュッ!タァン!


数メートル離れてる岩に向かって

練り上げた魔力を

弾丸の様に圧縮して指先から放つ


直人(弱いな、、、

  この程度の岩も貫けないのか

  やっぱ体から離れても

  威力が維持させるのは難しいな、、、

  じゃぁ、出し続ければ良いのか?)


集中するあまり自分が今初めて魔力を放出した事実をスルーした直人。


立ち上がり、意識を集中する


スゥゥゥ、、はぁぁぁ、、、、、


足を開き


両手を前で重ねる


ゆっくり引きながら


手の平に両腕から練り上げたエネルギーを集約させる


手がヘソの前まで来たと同時に右足を下げながら


腰を落とし目標を定めて更に集中する


目標の圧力まで練り上げ


直人「(ここだ!)はあああああ!!!!」


一気に両手を前に出しながら手を開き

目標の岩に向け凝縮したエネルギー解き放つ



ドゴォォォォォォォォォォォォォォォ!!!


直人「ぁぁぁぁおおおお!?

          出たーー!?!?」


出した本人が1番ビックリしていた。

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