100話 我の屍を越えてゆけ!!(ボス)


戦闘開始早々ニワトリ頭のボスからの攻音波による主に精神的ダメージを負った直人。


直人「クソッタレが!!」


なんだありゃ!?煩いだけならまだしも背筋がゾワゾワする気持ち悪さ!


一瞬たじろいだがすぐ怒りで体制を立て直し、モンスターに向かおうとするが



コ、ケエエエエエエエエエ!!!!


再度超音攻撃をしながら上空に逃げて行った


直人「くっ!?意外とはえぇ!?

だが、その程度で逃げ切れると思うなよ!」


マジでやべぇ、あの鳴き声聞けば聞く程気持ち悪くなってくる

早々に倒さねぇとリバースしちまいそうだ、、、




上空に逃げるボス追いかけその場で跳躍する直人、

ボスまで数メートルの距離まで一瞬で詰め寄ったが、

ボスが口を開ける様子がスローで見える


直人(くっ!また奇声か?だが

  我慢すればテメェに一撃位喰らわせ

            られるんだよ!)

 


そして攻音波攻撃に身構えつつ、腹立つボスの顔面に殴り掛かる瞬間

ボスの口から出たのは、攻音波では無く


【酷く濁った茶色い噴霧】


その茶色い噴霧をダイレクトに顔へ直撃を受けた直人は


直人「うぐっ!?く、くせぇぇぇぇ!?」



強烈な悪臭の直撃を受け、堪らずボスから距離を取る為に身体を捻りながら落下する直人



ダダンッ


数十メートルから着地した直人は、臭いを消す為に手で頭や身体を叩き始めた


直人「うおぇぇ!ぎもぢわるい、、

  なんだありゃぁ、臭すぎる、、うぇぇ」


あまりの臭さと攻音波による気持ち悪さが合わさり涙目になりながら呻く


リズ《マスター!洗浄を意識して

       クリーンと唱えて下さい!》


直人「はっ!?そうか!

  うぇ、確か意識すれば

 【魔装】がうぇ、

  洗浄出来るん、うぐっだよな!」


リズ《肯定します。【魔装】を

   【クリーン】と唱えるとすると

  任意で洗浄され清潔な状態になります》



直人「ああ!(【魔装】【クリーン】)」


意識を集中させると装備が淡く光ると装備の臭いは取れたが、装備が無い部分の手と首から上は取れなかった。


直人「ええ!?臭いままなんだけど!?」


リズ《装備されてる部分の

   臭いと汚れは取れましたが

 装備が無い場所は現在洗浄外となります》


直人「そんなっ!?くぅせぇぇなぁぁ!

  マジかよ!?クッソー!

  あの野郎おぉぉ、、許さねぇ!」


悪態をつきボスを睨む直人


コケ!ケ!ケ!ケ!


空中をゆっくり漂いながら嘲笑うように鳴くボス


その瞬間直人の中でブチっと何かがキレた


直人「ふぅぅ、、、、、」


怒りを深い殺意に変えて息を深く吐きながら腰を低く、力を溜める、溜まる、溜める。


次の瞬間


ドンッッ!!!


クケ?


それがボスモンスターの最後の鳴き声となった

胴体と頭部がバラバラに地面に落ちる

ドォォン、、ドン、、


少し離れた場に直人も着地する。


ズダンッ!

   


直人「・・・・・」


無言でボスモンスターに近いてアイテムボックスに収納しようとすると

ボスの眼球が直人を見て笑ってるような目をすると


鶏冠が爆発した。


ズバアアアアァァァンッッ!!!


直人とボスモンスターを中心に数十メートルの範囲を

破壊し、大きなクレーターを作った。


数十秒後、クレーターの土煙が晴れると中から全身強烈な匂いを放つ物体とチリやホコリ、砂埃でぐちょぐちょになった直人が現れた。


直人「なぁ、、リズ、、

   コイツの素材回収しないと

     駄目なのか?」


リズ《申し訳ありませんマスター、、

   マスターのお気持ちは分かるのですが

  貴重なRANK 4ボスモンスターですので

   【魔装】安定には必要なのです」

   


当然直人に物理的なダメージで損傷した場所な無いが、今までにない精神ダメージを受けたのは間違いない


直人の足元には鶏冠を無くしたニワトリの頭部だけのボスが笑ってる表情のまま事切れていた。


ボスの頭を粉砕したい気持ちをなんとか堪えるとボスの笑ってる頭部をアイテムボックスに仕舞い


クリーンと唱えるが、やはり剥き出しの頭部と手の汚れは落ちる事が無かった。


直人「糞ォォ、、なんだよコイツ、、

   なんで、、こんな、、

   凄い、、敗北感が、、」


仕舞ったボスの頭部をアイテムボックスから出してミンチにしたい気持ちをどうにか抑えながら戻る為の転移陣が出るのを待っているのだ、が、、、転移陣がいつまで経っても出てこない


直人「なぁリズ?

  なんで転移陣出てこないんだ?

   ちょっと遅くないか?

   早く帰りたいんだけど?」


さっさと帰って洗い流したい直人は苛立ちながらリズに問いかける



リズ《マスター、、、

   こんな事があるとは予想外

   なのですが、どうやら、先程、

   首を飛ばされた時

   一度死亡判定を受けたのだと思います

 その際に、転移陣が設置されたのですが、

   特殊な力を使い蘇生したボスは

   そこに転移陣を隠す様に身体を落とし

 先程の爆発で転移陣をも吹き飛ばしたと

   思われます。

   それが最後の力だったのでしょう

   爆発後は完全に死亡しました」


それを聞いた直人はアイテムボックスからボスの頭部を出して、

遠くに投げようとしたが、


リズが呟く様に静かに


リズ《ステータスが

   高いだけでは守れないモノも

     あると言うのを身をもって

        教えた?のでしょうか?」


と言った。



リズの言葉に思い留まった、、、思い返せば最初からボスモンスターはジッと直人を見つめ、戦闘前は見極めたと言わんばかりに直人を馬鹿にしていた。


それはまるでステータス高さに調子に乗った愚か者を見下していたのかもしれない。


そんな事を考えると


赤面する思いだった。


恥ずかしい、、、けど、、ニワトリに馬鹿にされたのは悔しいしムカつく。


なんだかどっと疲れた直人は、ボスモンスターの頭部をアイテムボックスにし収納すると

ラグジュアリースモークを吸う気持ちにもなれずに

トボトボと歩いてダンジョン入り口まで歩いて行った。



直人「ううっ、、

   臭い、、、、くそぉ、、、」


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