ガチャで言うオマケ
俺の名前は吉田ユースケ。
34歳、嫁無し金無しの自宅警備員。
両親は共に他界し兄弟も居ない、所謂天涯孤独。
協調性と言う物を育んでこなかった俺は、ソロ人生まっしぐら。
両親の遺産を食い潰し日々生活している。
そんな俺の唯一の趣味はMMORPG。
毎日MMOの賞金モンスターをPOP待ちしてはソロで狩る、という無限ループのライフスタイルを貫き通す鉄の男だ。
勿論偶に沸き待ちが被る事もある、そんな時は優しく譲ってあげている。
何故なら俺は時間に縛られない男だからだ。
というかやっぱり無限ループは飽きる。
最近は独占できる狩り場も少なくなって来てるし、攻略でもするかと思い立ったのが確か7日ほど前。
ほぼ寝ずに攻略を進め、ボスと戦闘を開始、約九時間の長期バトルを制しドロップ品を確かめた所までは覚えている、覚えているんだが、今自分がどこに居るのかがよく分かっていない。
何というか曖昧、全てが。
目を開いて最初に見えたのはぼんやりとした空。
そう、空。
青く透き通り、白い雲がゆったりと揺蕩う。
太陽は僕の肌を焼き――――って何故に外!
がばっと身を起こしたつもりだったが上半身が起きない。
起きてくれない。
けして腹筋が無い訳では無い。
筋トレは好きで結構鍛えていたんだ。
俺は再び空を見上げた。
綺麗な空だな。
空ってこんなに綺麗だったんだ。
なんておセンチな感傷に浸る。
と言うかここ何処よ?
何で身体が起きないんだ?
状況確認の為、取り敢えず手を動かして見た。
何だか非常に動かしにくい。
動かしにくいが何とか動く。
頑張って俺は自分の手を視た。
……………手が無い。
というか指が無い。
むしろ腕のようなナニカ。
どちらかと言うと棒よりかな。
そして紅く、蒼い。
無駄に鮮やかである。
うむ。
最早人類を超えた。
そう、我は人類を超えた存在、アガペー。
貴様達に無限の愛を与えよう。
すまん。
平静を装うってみたが、どうやら取り乱していた様だ。
取り敢えず空は青いよ。
そしてどうやら既に俺は人では無いらしい。
何故そう思うか教えてあげよう。
俺が認識し動かした腕の部位は表は赤く、裏は青い。
丁度真ん中で色が別れている。
そして肌はごつごつとしており言うなればトカゲの様だ。
この情報から推測するに俺は人では無いと言えるのだ。
むしろこれで俺人間って言えたらそれはそれで凄い。
ゴイスー人だ。
ただ、人だった時の記憶はある。
俺はこの状況を知っている。
アレだ、ラノベでよくある異世界転生。
大体人に生まれ変わるんだけど稀にモンスター系とかもある。
蜘蛛だったりスライムだったり、大体みんなチート持って悠々自適に過ごしていくんだ。
そう、そしてテンプレを踏襲してるはずなんだ。
こういう時は「知らない天井だ…………」って言うか「ステータスオープン」って言うかに限る。
だけど天井は既に無い。
故に選択肢は一択!!!
「―――――――」
残念な事に、どうやら俺にはまだ口が無いようだ。
喋れないのか……。
仕方ないので思念で――――
『ステータスオープン』
名前
種族 悪魔 LV1
HP 999/999
MP 999/999
スキル 合体(LR)究極進化(LR)覚醒(LR)邪眼(UR)高速浮遊移動(SR)
称号 転生者
悪魔合体用特殊進化素材の究極仕様。
どんな悪魔も一度合体すれば
召喚時に極稀に発生する。
その中でも
普通は進化素材等は召喚時に吸収されて出てくる為、素材単体で見られる事は無いが
その生態は謎が多く未だ解明されていない。
魔王の多くはこの
特徴、単眼、星形、肉厚、濃厚。
表面が赤く、背中側は青い。
表面中央に座する単眼の瞳は、覚醒すると邪眼として機能する。
まつげが長い。
体長 45センチム 体重 10コロム
なんだ
種族は悪魔になるのか。
……………超激レアで伝説の神素材。
ん?
いや、ちょっとまて。
素材?
素材なのか!?
それに特徴の単眼、星形、肉厚、濃厚ってなんなんだ。
単眼、星形はまだいいわ!!
肉厚と濃厚に至っては食感と味だろ!
うはぁー、素材かぁ~~~。
しかも召喚時に極稀に発生するって事はアレだろ。
所謂10連ガチャとかのオマケって事だろ。
これから俺どうやって生きて行こう。
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