大盾使いの少女はギルドの受付嬢と対話する
(うぅ……!?やっぱりパーティーをクビにさせられるなんて恥ずかしい事なんだ……!?)
周りからの目をそう受け取ってしまうティファ。しかし、周りの冒険者達の反応はティファの考えてるのとは違った。
「えっ?ガブリィの奴バカなの?」
「ティファちゃんをパーティーに抜くとかあり得なくない?」
周りの冒険者達はむしろ何故ティファをパーティーから外すのか疑問で驚いているだけだった。そうとは知らずに余計に萎縮してしまったティファに、シンシアはコホンと咳払いして笑顔でティファに話しかけた。
「ごめんね。ティファちゃん。一応確認の為に聞くけど、あのバガ……ガブリィさんがティファちゃんをクビにするって言ったの?」
「えっと……はい……そうです……」
ティファは俯きながらそう答えると、シンシアは先程ティファに見せた笑顔から180度変わり無表情で黒いオーラを放ち
「あのバガブリィ!?前々からティファちゃんの活躍を評価せず蔑ろにしてたと思ってたけど!まさかクビにするなんて!?マスターと話してランクをEまで下げてやろうかしら……いや、一応リッカちゃんは辞めてないけど……そう言えば……」
ぶつぶつと何か恐ろしい発言をしたシンシアだったが、ふと気になってティファに再び笑顔を向けて話しかける。
「ティファちゃん。この事をリッカちゃんは知ってるの?」
「えっと……その……リッカも私のクビに関しては了承しているって……」
ティファのその言葉に周りの冒険者達が再びザワつき始めた。
「いや!?あり得ないだろう!?あのリッカちゃんが!?」
「ティファちゃん大好きなリッカちゃんに限って絶対あり得ないって!?」
「俺……この前ティファちゃんを口説こうとしたら丸焦げにさせられたよ……」
冒険者達はリッカのティファに対するちょっとばかり行き過ぎた過保護っぷりを知ってる為、絶対あり得ないと感じていた。その被害者たる冒険者はあの丸焦げになった日を思い出して遠くを見つめている。
「その……ティファちゃん。それは、リッカちゃんの口から直接そう聞いたの?」
「あっ……いえ……リッカではなくガブリィさんがそう教えてくれて……」
その言葉を聞いた冒険者達やシンシアの意見が満場一致した。『ガブリィの奴。嘘ついたな』と……
「……分かったわ。うん。バガ……ガブリィさんの所を抜けるのはティファちゃんの為にもいい事だものね!それで……ティファちゃん。これからどうするつもりなの?」
「えっと……その……出来れば他のパーティーに雇い入れてもらえればと……」
お金もない役立たずですけど……とティファが俯き加減でそう言う前に1人の冒険者がティファに声をかけてきた。
「だったら、ティファ。わたしんとこのパーティーにきなよ」
ティファにそう声をかけてきたのは、先程のSランク冒険者のシャーリィーだった。まさかのシャーリィーからの誘いに、ティファは思わず目を見開いて驚いた。
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