第3話 ヒバナ

パチ、パチ、パチ……。

「うあ、おあよ。」

「なほちゃん、おはよう。」

「あさ……。たっちゃん、何食べたい?」

「朝だねって寝ぼけてるの?」

「……そう。」


かと思ったらスっと消えて。

「たっちゃん、美味しいでしょ、この目玉焼き。」

「目玉焼きなんて誰でも美味しいと思うけど?」

「最低。」

同じセリフ言うなんて、最低。

パチパチ……。


1ヶ月経って新しい彼氏が出来た。たっちゃんっていう優しい人なんだけど、時々毒舌な人。

そっくり、ほんとに。

「ん……。どうする、今日。ちょっと出かける?」

「んー……アニメ見ようよ。」

バチバチバチバチ……。

「……いいよ。」

通り越していった矢先に時間がフラッシュして戻って。トランプみたい。

1がどこだったとか、ジョーカーを持ってたかどうか忘れちゃって。

「なほちゃん?」

「ん?」

「どうして泣いてるの?」

「泣いてないよ?」

「こっちおいでよ。」


全然違う匂い。

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