14話 奇は心

「ん?誰かいるの?」

繁美が屋上入り口の方を向いて問う。

(マズい!!!しかも相手はミタマ使い…とりあえず逃げるか…)

『モナ・リヒト』は喪介の元へ戻った。


放課後

喪介は九条と集まって報告をしていた。

「マズいぞ九条!またあの事件みたいなことが俺の目の前で起こった。」

「何だと?詳しく。」

すると、喪介は今日起こったことをありのまま、話した。

「そういえばどうして今日のやつは死ななかったんだろう…。」

喪介は素朴な疑問をぶつける。

「2つの事件には共通点がある。並んでいたのが限定ものの商品の行列だったことだ。」

「そして1人は…また1人はこの違いじゃないか?」

九条が論理立てて説明する。

「なるほど…ということはあの姉妹は無理のあるを対象に課し、またはそれに準ずる状態になったときに相手に危害を加える能力?」

喪介は問う。

「うーん、今ある情報だと…な。大体あってると思う。」

九条は言う。

「あ…!」

喪介が何かを思い出した。

「何だ?」

「次のターゲット…分かったかもしれない…!」

「あの姉妹のターゲットは恐らく…茉由だ。」

喪介は言い切る。

「何だと…しかも能力の対処方法もわからないと来た…チクショウ!」

九条は近くの壁を叩く。


翌日

いつものように喪介と茉由が登校していた。

「ふぁー、朝は辛い…。」

喪介はあくび混じりに呟く。

「ほら!シャキッとして!」

茉由が喪介の背中を叩く。

「痛って!!」

その時、茉由の肩にパペットのようなものが見えた。

『フェケッ!』

「お前…!!」

喪介はミタマを出し、殴ろうとする。

が、その時には見えなくなっていた。

(何だ…気のせいか…。)

その日は特に何事もなく1日を終えた。


さらに翌日

茉由の肩にはハッキリとパペットのようなミタマが見えるようになっていた。

喪介はミタマを出し、殴りつける。

が、全く当たる気配がない。

「な、なんで!?」

(マズいな…完全に憑いてやがる…。)

だが馬場姉妹の背後に居たミタマとかなり見た目が違ったことと、馬場姉妹が学校を休んでいたためその日はどうすることもできなかった。


またまた翌日

茉由の肩のミタマは前の日と比べ、2周りくらい大きくなっていた。

『フェケッ!!』

(こいつ…成長してやがる、これ以上は…!!)

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