15話 船を鎮め釜を破る

「なあ、九条。」

「ああ。」

2人は茉由の肩にいるミタマを見て顔を見合わせる。


その日の昼休憩、2人は誰もいない屋上に居た。

「本当にここに来るんだろうな…?」

九条は苦い顔で言う。

「ああ、多分な。調べによると毎日来てるみたいだ。それに今日は休んでいないみたいだしな…。」

その時、屋上の入り口のドアが開いた。

「来た!」

「あら、先客がいるみたいね、フフッ。」

「フフッ、どうやら私たちに用があるみたいよ。ゆず。」

馬場姉妹が入ってくる。

同時に背後から2体、ミタマが出てきた。

「ガールフレンドを救いに来たのかしら?フフッ。」

譲美が不敵に笑う

「ああ!まあガールフレンドじゃないが…あれを仕込んだのはお前らだろ?」

喪介は言う。

「フフッ、さあ?どうかしら。」

繁美が挑発する。

「戦うのはいいんだけど…その前にあなたたちおバカさんたちに教えておくわ、私たちの能力。」

譲美は続ける。

「この白い方は『トッカータ』、この黒い方が『フーガ』。めぐみと罰を与えるミタマよ。」

…。」

喪介は呟く。

さらに譲美は続ける。

「ミタマから生命力をに取られると私からのを実行しなければならなくなる。そのに応じてが降りかかるわ。ちなみにの内容は完全ランダムだから。」

そして繁美が言う。

「フフッ、私たちに勝ったら教えてあげる。」

「2対2か…廻、女を殴るのは好きじゃないが…人の命がかかってる、やるぞ。」

九条は『proto-Z』を出す。

「もちろんだ!『モナ・リヒト』!!」

喪介の赤いウサギのミタマが出た。

(何故だ…?今日は丁度新月じゃ…。)

「行くわよ、フフッ。」

そう言った頃にはミタマが既に2人の背後に居た。

「何!?二の陣形フォーメーション・ツー護る者ガーディアン!!!」

「あぶねっ!うおりゃ!」

九条はミタマで完璧にガードした。

喪介はギリギリでかわし、カウンターのパンチを食らわせた。

「フフッ、さすが。「あの方」が狙うだけのことはあるわ。でも…これならどうかしら。」

『フーガ』がハサミを2つに分けたような武器を持って九条に切りかかった。

「くっ…剣か、それならこっちもだ!」

九条はシールドを剣のように使い、対抗する。

しげ!貸して!」

「ええ。」

そう言うと、『フーガ』は『トッカータ』に片方の武器を渡した。

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