12話 あの乞えで蜥蜴食らうか時鳥

「はぁ…何とか護る者ガーディアンで血飛沫は防いだが…メチャクチャだな…。」

九条は冷静に話す。

「まあそのうち警察も来る、とりあえずは…。」

「おい!!何でお前そんなに冷静なんだ!!!人が1人死んでるんだぞ!!しかも!目の前で!!!」

九条の胸ぐらを掴み、喪介は怒る。

「す、すまねぇ、配慮が足りなかった。」

「ううっ…ああっ…。」

泣き出す茉由。

結局、喪介たちは警察からの事情聴取で夜遅くの帰宅となり、大型商業施設でのその日のイベントは中止、一部施設は営業停止となった。


翌日

その日の1面トップのニュースにもなった今回の怪事件。

警察の捜査が始まるものの、一向に手掛かりが掴めない。

目の前で目撃した喪介たちはショックで塞ぎ込んでいた。

「おーい…君たち~?ごはんですよー?」

橘が呼びかける。

「喪介く~ん?ご・は・ん。」

「…。」

喪介は黙々とゲームをしている。

「茉由ちゃ~ん??ごはん~!」

茉由は部屋に閉じこもっている。

「はぁ~!おじさんだけでご飯食べちゃお!!」

橘は食べ始めた。

「…なぁ、橘さん。これ…ミタマの仕業かな?俺にはそうとしか思えない。」

喪介は問う。

「ああ、そうだなー、例えそれがミタマの仕業だったとして、お前に何ができる?」

橘は逆に問う。

「お、俺は…。」

その時、グギュルルル、と喪介のおなかが鳴った。

「おいおい、腹、減ってんじゃねぇか。食えよ!」

橘は食事を差し出す。

「い、いただきます。」

「まあー、何はともあれ、食べろ。それが先決だ。」

喪介は黙って食べ続けた。


少し日が経ち火曜

何とか調子を取り戻した茉由は今日から復帰した。

「ほら、喪介!行くわよ!」

茉由のカバンには「もぐっぴースペシャルストラップ」があった。

「はいはーい。」

喪介は気だるそうに今日も行く。

「キャッ!」

登校途中、歩いていると茉由がこけた。

「おいおい、だい…。」

「大丈夫ですか?」

「あら、擦りむいてるわ。じっとしてて。」

そこに現れたのは学校のマドンナ、双子の「馬場 譲美ゆずみ」と「馬場 繁美しげみ」の姉妹だった。

「絆創膏を貼ってあげる。」

繁美がそう言う。

「気を付けてね。」

そう言う譲美。

2人は去っていった。

「…喪介ったら何もせずにぼーっと立ってるだけで…2人を見習ってよね!」

茉由が喪介に文句を言う。

「いや、何かしようと思ったらあの2人が来たんだよ!!」

2人は言い合いながら登校していく。


その頃

ペロリ、と指に付いた血を舐めとる繁美。

「フフッ、これで仕込みは完了よ、ゆず。」

「そうね…フフッ。」

不敵に笑う2人。

背後には2体のミタマが居た…。

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