9話 天の鬨は地の利に如かず
「これが…『proto-Z』の新たな姿…。」
九条の前にはバリアのような盾があった。
さながら4本しか骨のないビニール傘のようだ。
「
「痛って…。」
喪介は右手に痛みを感じ、見てみる。
「何だこりゃあ…これじゃまるで俺が攻撃食らったみてぇじゃねぇか…。」
拳には血が滲んでいた。
「ダメージをも弾き返す盾か…だが分かったことがある…これなら…。」
突然、盾が飛んできた。
「なっ!」
間一髪、避ける喪介。
「まだ行くぞ。戦いは終わってない。」
飛び交う盾。
刹那、避けきれず喪介の頬を掠めた。
「痛って!」
(マズい…これは盾なんかじゃない…最早一種の刀、さらに迂闊に反撃もできない…どうする。)
また飛んでくる盾。
避ける喪介。
その時、拳へと姿を変えつつ軌道を切り替え飛んでくる。
「何!?」
「勝った!」
流石に避けきれず、拳が直撃する。
「ウガッ!」
喪介は拳ごと10m以上ふっ飛び、壁にめり込んだ。
「とどめを刺してやるよ…。」
そう言い、壁の方へと向かう。
「ん?なんだ?」
ゴゴゴと音がする。
「一体何の音だ!?」
九条は辺りを見回す。
その時、背後に喪介が現れた。
「はぁ…これで当てれる!!」
「クソ!『proto-Z』!!」
が、来ない。
「来ねぇよ!かなり向こうへお前がふっ飛ばしたからな!」
「お前…壁にめり込んだ瞬間、避けたというのか!!」
喪介は左手で殴った。
「あがっ…はあッ!」
九条も殴ろうとする。
「なに…動けん!!まさか…その左側!」
「ああ、止まるパンチだ。」
「これで…とどめ!
喪介は殴る。
「おりゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
増える右手と止まる左手の拳が九条にダメージを与える。
「はあ…
そう言い、指を鳴らすと止まっていた間蓄積されていたダメージが動きとなってフィードバックされていく。
「ぐはああああああ」
九条は衝撃で空中に押し上げられ、そのまま力なく落ち、倒れた。
「クッ…俺の負けだ…強いな。」
九条は悔しそうに言う。
「お前もだよ、もしかしたら俺も負けてたかもしれねぇ。」
喪介は笑う。
「ハッ…。」
そのまま九条は意識を失った。
「痛てて…疲れたし俺も寝るか…。」
喪介も倒れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます