7話 龍誇相搏つ

「大丈夫!?喪介。」

茉由が駆け寄ってくる。

「何だ…?あいつ。」

喪介は制服についた埃を払いながら言う。

「あの人は「九条くじょう 界人」2年。学校でも有名な不良よ。」

「何でもあの人に殴られた人は口々に2トントラックに撥ねられた様だと言っているらしいわ。」

茉由は言う。

「…なるほど。どおりで俺が無傷だったことにみんな驚いてたのか。」

喪介はさっきのことを振り返った。

(外傷はないとは言え…相当痛かったぞ。おそらく人向けに手加減してやがる…『モナ・リヒト』でガードしてなかったらどうなってたか…)

「九条のやつ…多分今度会ったときは徹底的に潰しにやってくる…気を付けねぇと…。」

その時、茉由が喪介の耳を引っ張る。

「いでで、何すんだよ!」

「編入して早々問題起こすつもり!?ただでさえあんた注目されてんだから!こっちの身にもなってよね!」

怒る茉由。

「あぁ、悪かったよ…。」

「本当に反省してる!?」

少し強めにもう一度引っ張る。

「痛い痛い!すいませんでした!!!」

「分かったならよろしい。ほら、カバン持って、教室行くよ。」

速足で向かう茉由。

「お、おい。待てよ!」

喪介は耳をさすりながら追いかける。

喪介の学校生活が幕を開けた。


それから4日、特に何の音沙汰もなく1週間が過ぎようとしていた。

「あー!漸く金曜も終わりか…長かった…。」

長かった1週間を思い返し、伸びをする喪介。

「そうね…でも大変なのはこれからよ?」

茉由は帰り支度をしながら言う。

「よし、終わった。帰ろう喪介!」

「あぁ、いいよ。」

2人は帰りだした。

朝来た道をそのまま辿り、帰る2人。

あと5分ほどで家というところで

「よう、仲良さそうだな。「廻 喪介」。」

「「九条 界人」…。」

出会った2人は視線を外さず、睨みあう。

「え?何?ちょっとやめようよ2人とも。」

仲裁しようとする茉由。

「いいんだ、先に帰ってろ。危ないから。」

喪介は言う。

「で、でも…。」

「うるさい!いいから帰れ!」

怒鳴る喪介。

「う、うん…。」

茉由が視界から消えたのを確認すると

「何の用だ。」

「お前と戦って徹底的にぶちのめしたくてな…。」

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