5話 いつも月与に米の飯

「おはよう、橘さ…」

「お父さん!?誰よこいつ!年頃の娘がいるってのになんでこんな素性の知れない男の身元を引き受けたわけ!?」

目覚めると、年齢は喪介とさほど変わらないであろう娘が橘に対し、怒鳴りつけていた。

「すまねぇすまねぇ、まあ放っておけなくってな。」

謝る橘。

「すまないじゃすまないわよ…ったく。」

飽きれる娘。

「あ、おはよう、喪介。目覚めて早々済まないな。」

「こいつの名は「橘 茉由まゆ」。俺の娘だ。」

娘を指さし言う。

「…よろしく!」

手を差し出す茉由。

「…よろしく。」

応える様に握手をする喪介。

「まあー、挨拶もこれぐらいにして晩飯にしようぜ。」

橘は言った。


夕食後。

「ふー、食ったぁ。」

「腹いっぱいになってくれてよかったよ。」

「じゃあ私、お風呂入ってくるから。覗かないでね!」

部屋を去る茉由。

「おい、まさかとは思うが…。」

「…ああ、茉由はミタマ使いじゃない。」

「…ところで、だ。喪介。お前のあのミタマ…どんな能力なんだ?一回見せてほしい。」

「いいぞ。俺にもわかってないから…。」

そう言うと、喪介の背後から喪介と同じぐらいのサイズのウサギに似たミタマが出てきた。

「あれ?お前のミタマ、こんなに小さかったか?しかも色も赤じゃなくて黄金に光ってたし…。」

「うーん、わからない。その時必死だったからかも…。」

2人の疑問は募るばかりだった。

それもそのはず、本田と戦った時とサイズ感や色、迫力まで違うからだ。

「腕は?あのパンチ。」

「あれか、ハァッ!」

ミタマが空中を殴る。

「速度も威力もかなり弱まったパンチだな。何よりない…。」

「わからないな…あ、ところで名前は?」

橘は訊く。

「うん、少し考えたんだけど…これはどうかな?『モナ・リヒト』」

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