第12話

「私と付き合ってください!」


「…気持ちは嬉しいけど、ごめん」


「…そっか」


「あの…俺の好きな人なんだけど

 探すの手伝ってください!」


「えーと、どうゆうこと?」


「去年の夏祭り皆で行ったんだけど

 皆とはぐれた時、

 その人が俺にジュース渡して、

「男の子が下向くんじゃありません!」

って、

その後、一緒に探してくれてさ

見つかったって言ったら、

すぐにどっか行っちゃって

名前聞いて無くてさ…」


ん?ちょっと待ってくれ…

なんか、既視感があるような…


「…その娘、どんな浴衣着てたの?」


「え? なんで浴衣着てたって知ってるの?」


「いや、夏祭りなら浴衣かなって」


なんか嫌な予感が…


「…そうかな?」


「そうそう!」

 

「… 確か、紫のアジサイ柄だったはず…」


「…髪型は?」


「そんなに長くなかったと思うけど、

 くくってた」


…え? えーと

これ言っても良いかな


それ私だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ 


「浴衣着るんだから」

って、おばあちゃんにあんま長くない髪くくらされた…


…どうしたらいいの?

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