第5話
「…手、繋いで歩かない?」
急だった
付き合い始めて二年が経ち、
デートに新鮮味がなくなった時に
彼から言ってきた
…二年も付き合ってるのに手を繋いだことがないってことががそもそもおかしかったのかもしれないが
二人とも忙しく、いつも会う時間が遅くて
あまり会った気がしない
でも、
毎回家まで送ってくれて、
玄関前で二人とも向き合って手を出して
数秒、指を絡めて帰る
それだけで良かった
それだけで満足してた
でも、ちょっとぐらいワガママを言ってもいいかな、聞いてくれるかな、
なんて思ってるときにあんなことを言ってくれたら、
「…うん!」
以外の返事はない
歩きながらは緊張した
普通に手を繋いで
歩いただけだった
それでも、それだけでもすっごく嬉しかった
[玄関]
あ、
「今は…どうする?」
「…一日に二回は俺の心臓が保たないから
また、…次、会った時だったら」
「うん…」
「じゃあな」
「バイバイ」
次も手を繋いでくれるんだ
そう思うだけで
次に会うまでの仕事は全て頑張れそうだ
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