第6話
私の名前は浅川モモ
私には好きな人がいる
正確には私「達」だ
クラスのリーダーとも言える
クラスカーストの最上位
その女の子と私の好きな人が同じなのだ
絶対、あの子より好きな自信はある
でも、私には何も出来ない
女子の間で
「樹くん、狙っちゃダメだよー
私のなんだから~」
と平然と言っている
しかも男子、男の先生の前では可愛い子ぶり、
かなりの人数の男子に好かれてる
なにより、私は樹くんと釣り合わない
スポーツはなんでも出来て、
勉強も出来る
イケメン 髙身長
私とは大違い
「はぁー
どうしたらいいと思う?ミナ」
「どうしたらって私に言われてもね」
「勉強出来て、スポーツも出来て、
髙身長 イケメン…
私と釣り合って無さすぎる…」
「好きにすれば?私の恋じゃないんだし」
「…なんでそんな興味無さそうなの?」
「好きな人が高三にいるからかな~」
「え?誰?」
「言わない
言っても分かんないし」
「えー」
はぁー
私が樹くんを好きなのは
「大丈夫か?机に突っ伏して
体調でも悪いのか?浅川…」
「いやいや、ぜんぜん!」
「そうか」
なにかと気にかけてくれるんだよね
樹くん
優しいな~
余計に釣り合ってない気がしてきた
「じゃあ、私、聞いてくるね」
「えーと…なにを?」
「樹くんの好きな人」
「いや、いやいや何で?」
「好きな人いるらしいよ
告ってきた人に、
「ごめん、好きな人がいるから…」
って謝ってるらしいし」
「そうなんだ…」
「で?聞きたい?聞きたくない?」
「…聞きたい」
「よし、なら明日、期待しててね」
「…ガッカリしかしないでしょ」
「まあ、放課後聞いとくから」
[放課後]
「ねえ、樹くん一つ聞きたいんだけど」
「なに?」
「好きな人って誰?」
「…えーと、俺のだよね?」
「もちろん」
「えーと、俺の好きな人は…
あさ…
え?ごめん部活行かなきゃ」
「え?ちょっ!え
なんで急に…」
名札か
「クラス同じ人か…」
[次の日]
「誰…だった?」
「それがさ、
あさ、って言って部活言っちゃたんだよね」
「あさ?
やっぱ浅見さんか…」
そうクラスカーストの最上位
浅見ユカ
やっぱり
浅見さんだよね
「浅見さん?ちょっといい?」
「ちょっ、なにやってんの!ミナ」
「なに?栗原さん?」
「多分だけどさ、樹くん浅見さんのこと好きだと思うよ」
「ホント?!」
「ええ」
「ありがとう、栗原さん
やっぱり待ってたんだね
樹くん
よし、皆!私は今日の放課後、樹くんに告白
することを誓います!」
「いいねぇ!ユカ」
「やっと?長かったね」
「応援してるよ!」
「ありがとう!」
さよなら私の恋
[次の日]
誰か泣いてる?
「大丈夫だってユカ!
断ってごめん、俺と付き合ってくれって
言われるよ!ユカ!」
「でも、でも、
「好きな人がいるからごめん」
って言われたんだよ?
今日は立ち直れないー」
「ユカ!今日、学校終わってからユカの好きなカフェ行こ!」
「ホント?!」
「うん、うん!
皆も行くよね?」
「行く行く!」
「うん…」
「もちろん!行こ行こ!」
「おはよう、モモ」
「…なんかした?」
「どうしたの?急に」
「浅見さん振られたって」
「やっぱりね…」
「え?今なんて?」
「なんでもないわ それより!」
「樹くんの好きな人誰なんだろ?…」
「鈍いなぁ
あさ、なんとかなんてもう一人しかいないじゃん?」
………
「ないないないない!!!!」
「え?なんで?」
「だって、樹くんだよ?…」
「まぁ、いいんじゃない?」
そうかな?
いやいや、釣り合って無さすぎでしょ
[放課後]
「俺と付き合って下さい
浅川さん!」
「……なんで、私、なんですか?」
「浅川さん、
皆に優しいし、笑顔だし、
何もかも一生懸命だし、
小学校の時からずっと気になってた
嫌味に聞こえると思うけど、
俺さ、だいたい何でも出来るんだよ
だから、何やっても必死になれなかったんだよ何事にも一生懸命取り組むとこにどんどん惹かれてって
だから、俺と付き合って下さい!」
「……あの、私なんかで良ければ」
こんなダメな私の初彼は、何でも出来る
樹くんです
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