第25話 おじちゃん、頑張っちゃいます!
カタクラを残した本陣に現れた敵将ガレインの姿にざわめくセレティアの老軍師たち。
「ご老人ばかりのようですね。王女がいるかもと思ったのだが」
(どこかで漏れている)
カタクラはそんな考えを巡らせながら、ガレインの前に進み出た。ガレインの表情が少し侮蔑の色を示し、
「良いでしょう。戦って聞くまでです」
「この老将を甘く見るなよ、小僧が」
カタクラの目は鋭くガレインを睨みつけた。そして、刀をぎゅっと握りしめて居合の体勢をとる。それでもガレインは余裕に満ち溢れた様子で、
「僕の剣撃は見えないよ」
すると、ガレインの鎧が眩く光り輝き出した。カタクラはその姿を真っ直ぐ見つめたまま、彼に切られた。
「ほらね」
「確かに速い。しかし、捉える事は出来そうだ」
そう言いながらもカタクラの腹部からは血が滴り落ちていた。
「おじさん、もう限界なら下がってくださいね」
「なめてもらっちゃ困る」
「甘く見るというか、まだ一回も剣を抜かないじゃないですか」
カタクラはふっと息を吐き、不敵な笑みを浮かべた。
「貴様こそ、一撃与えたくらいで調子に乗りおって」
言い終わるかどうかのタイミングで、ガレインはカタクラに飛びかかり、無数の剣技を浴びせていく。今度、光を纏うのは剣のみであった。
「やはりな」
今度はカタクラも刀を抜いた。そして、光の如きスピードの攻撃を全ていなしていく。しかし、いなしながらもカタクラの鎧は段々と痛んでいき、刀さえもヒビが入ってしまった。
「もういいわ!私が王女よ!!」
「ジュンヌさま。お下がりください!」
「いいえ、下がりません!あなたはもう限界です!!」
すかさずガレインが、目の色を変えて飛びかかる。しかし、その身体は逆方向に吹っ飛んだ。
「王女さまから離れろ!」
「あれ、イケメンじゃない??」
そこに現れたのは、モモとケロルだった。
つづく
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