第18話 なるはやでパーリィー!!-その2

アイリがセレティアの女王を呼び出してから一週間。やっとのことで女王が到着した。

アヤカとモモは来客用の洋館で女王を出迎えていた。豪勢な馬車は重厚な防寒装備をしていて、なかなか馬車の扉は開かなかった。

「やっと来たぁー。来ないかと思ったよ」

「モモ、よーく考えてみな。あの女王が来るんだよ。あんたを“乳牛”って呼んだ、女王がさ」

「そうだった。絶対妬みだよね、ペチャパイ女王!!」

「胸が小さくてすみません」

やっと開いた馬車から出てきたのは、確かに女王だった。しかし、その女王は第二。すなわち、ジュンヌだった。

「あれ⁉︎ジュンヌが来たの?」

「はい、アヤカさん。ニコテスが姉さんの代わりにと言うので」

「なるほど。あの顔だけイケメンも良いことやんだね」

「それで私は何をすれば?」

「そうだった!」

「ジュンヌちゃん、こっちこっち」

二人が愉快にジュンヌを連れて行った後、ニコテスがこっそり出てきた。

「もういないかぁ。密偵任務も難しそうだ」

ため息をつくニコテスの手には一枚の書状が握られている。そこには第一王女である彼女の名が書いてあった。



-フィッティングルーム

「うわぁ。綺麗」

宝石で装飾されたきらびやかな鏡や家具に目を輝かせるジュンヌ。

「カタクラはこういうのを許してくれなかったので。どれもこれもとても魅力的に見えます」

「アタシたちでもびっくりしたレベルだからね」

「はい、ジュンヌちゃん。これ着てみて!」

モモが手渡してきたのはショッキングピンクのビキニだった。大人の女性が着るような色だったため、ジュンヌは辟易した。

「これは私向きではないですよ。もっと落ち着いた色ありませんか?」

「じゃあ、これじゃね?白だよ」

アヤカが持ってきたのは白色のビキニだったが、豹柄だった。雪豹ビキニという突飛な水着にジュンヌは再び拒否した。

「こういった柄もちょっと嫌です。おへそ出ないのとかないんですか?」


「コレをチョイスです!」

声の主はアイリだった。アイリは新作という黒いワンピース型の水着を持ってきた。

「お初にお目にかかります。ジュン、」

「はいはい。アイリです。フレンドになりましょ」

ジュンヌの丁寧な挨拶はアイリの前では無力だった。アイリはこれで良いよねと、そのまままたどこかに行ってしまった。



-翌日

「えー本日はお日柄もナイスで、以下省略」

「騒げぇ!!」

着替えにジュンヌが手間取っている頃、すでにパーリィーは始まっていた。湖氷上のパーリィーは魔術で寒さはなく、心地よい気温に調整されていた。

「やっぱり恥ずかしいです。こんな格好、お嫁に行けません!」

ジュンヌの水着はあの時アイリが持ってきたものだった。ワンピースの背中には網目状に透けており、セクシーな仕様になっている。

「大丈夫だよ。どうせ、男はモモの胸にしか目いかないから(笑)」

悪い顔で指差すアヤカの先には、ダイナマイトボディを振りまくモモがいた。

モモはフリルのオフショルを着ていたが、その大きな胸はすでに隠しきれていない。歩くたびに揺れ、ちょくちょくこぼれ落ちそうになる。

「あれは反則だな」

「俺の嫁さんよりデカいな」

「そこのバカな男ども、“氷上闘球”の準備をしろー」

鼻の下を伸ばしてる兵士たちを急かすマキナ。

「ヘイ。マキナ怒っちゃダメね。」

「ん?あっ。」

アイリがスキをみてマキナのビキニの紐を解いた。マキナのたわわな胸があらわになりそうになり、すかさず魔術で鎧を見につける。

「覚えておいて下さいね」


そんなこんなでみんなが騒いでいる中、着々と“氷上闘球”の準備が進んでいた。



次回、“氷上闘球”開始!!



つづく


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