第14話 みんな仲良く!レッツ同盟!!-その2
「お前!なぜ、二人に潜入任務なんかを与えたんだ!!」
静かな城に響くケロルの激昂。ニコテスは壁に打ち付けられ、胸ぐらを掴まれている。
「それはジュンヌ王女の決定だ。俺じゃ、ねぇよ。まず、俺がいれば大事ないさ。ついでにお爺さまもいるしな。大丈夫なのは、お前もわかってんだろ?」
「それとこれとは別なんだ。彼女たちに危険が及ぶのは、、、」
「おいおい。なんだ気があんのか?だったら、お前もついて行けよ。」
「私には国の代表賢者としての職務が、、、」
「何揉めてんの?」
「ケンカはストップ!!」
モモがケロルに飛びつき、胸と腕できっちりとロックをかける。
「いえ、ちょっとした意見の食い違いです。」
「ケロルのことだから、アタシたちのこと心配してくれたんでしょ。大丈夫だよ、アタシたちならさ。」
「その無謀さが、、、」
「ケロちゃん、メ!ちょっとは信じてくれても良いんじゃない?」
モモがケロルの口を指で抑える。ケロルの顔は紅葉し、いきなり距離をとった。
「わかりましたよ!行くことは認めます。ニコテス、約束してください。彼女たちに何かあったら、この城ごとあなたを塵に返しますので。」
軽く咳払いをして、ケロルは早歩きで去っていった。ニコテスはやれやれという表情で、
「まぁ、安心しなよ。俺がついてる!」
その言葉にモモは無視、アヤカは鼻での笑いで返した。
それから3日後、出立の日付となった。
ジュンヌは、アヤカに同盟の依頼書を、モモにはお守り代わりのネックレスを渡した。
「それじゃ、いっちょ行ってくるわ。」
「ばいばーい!」
「何かあったら、ゼルリッチ様を通して連絡を!」
「あいよ!」
アヤカとモモ、ゼルリッチはフードで顔を隠した旅人の格好で出発した。ニコテスは後から追っかけることとなっていたが、ケロルとの約束も踏まえ、透明魔術で一緒についていくことにしていた。
「ケロちゃんいなかったね。」
「どうせ、忙しいんでしょ。まぁ、せっかくの旅行なんだし、楽しもうぜ。」
「うん!なんか美味しいもの食べようね。ゼルリッチのお爺さん、なんか知らない?」
「えーと、名物なら鉄鉱焼きじゃな。それか、煙突パンケーキ。」
「パンケーキ!!絶対食べる!!名前聞いただけで、テンアゲだよ〜💕」
ゼルリッチとニコテスはこの能天気さに一抹の不安を抱くのであった。
「一応、予備知識じゃが。帝国には魔術を使う者がうちよりも少ない。加えて、今は国王が変わって間もなく、警備がより厳重じゃ、、、ゆえに、、」
「ねぇねぇ、あの雲おいしいそうじゃない??」
「いやぁ、あれはウ●コにしか見えないわ(笑)」
「あのぉ、わしの話聞いてる??」
ゼルリッチも真似して雲見ることにしたが、老人の目にはどれも同じく見えた。
つづく
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